反攻の狼煙(のろし)
2016プレナスなでしこリーグ第4節・AC長野パルセイロ・レディース戦は、4対3でジェフユナイテッド市原・千葉レディースが競り勝ち、今シーズンの初勝利を飾った。
先発にはGKに根本望央、ディフェンダーには右から千野晶子、櫻本尚子、磯金みどり、上野紗稀、中盤には、三橋明香、西川彩華、瀬戸口梢、深澤里沙、前線に小澤寛と菅澤優衣香が入り4-4-2の布陣で立ち向かった。
試合開始前から強風が吹くなか、ジェフレディースは風上でのスタートとなった。
立ち上がりからアグレッシブに行くと開始2分にはセットプレーのこぼれ球を深澤が押し込むが僅かにオフサイドとなる。
しかし7分には西川が目の覚めるようなミドルシュートを左足で突き刺し先制をすると、10分には相手ディフェンスラインの裏に抜け出たボールに小澤が反応し、ゴールキーパーの動きを見て冷静に右足で仕留める。
先制点を挙げた西川は「チャンスがあれば打とうと思っていたので思い切って打つことが出来ました」と話すと、追加点を決めた小澤は「自分は相手の股の間から決めることが得意なので良い結果になったと感じます」と笑顔で振り返った。
攻撃の手を緩めないジェフレディースは、20分にコーナーキックのチャンスにゴール前の混戦から深澤が右足でねじ込み、前半の早い段階で3点のリードを奪う形となる。
また、リーグ戦初先発となったゴールキーパーの根本もピンチを防ぎ守備面で貢献していた。
現在、チームの課題の一つになっているのが“攻撃のバリエーションの増加”であるが、成長を続けるチームは着実にその問題を解決しながら前に進んでいる。
ハーフタイムになると三上尚子監督は“攻めている時のディフェンスのリスクマネージメント”に対しての注意を選手に与えるが、後半、風下に立つとAC長野の後半から投入された内山智代にゴールを許してしまった。
しかし、ここで嫌な流れを断ち切るように三橋が美しい弧を描くループシュートを55分に決める。
「相手のゴールキーパーが前に出てきていたので上に浮かすことを選びました」(三橋)と再びAC長野を突き放す。
追いすがるAC長野は、64分にカウンターを発動させると齊藤あかねがジェフのゴールを襲う。
ここでジェフレディースは、73分に小澤に変え鴨川実歩を投入し追加点を狙いに行くが、試合終盤の89分に横山久美に決められ1点差に迫られてしまう。
何が何でも勝利を手にしたいジェフレディースは、90+1分に鴨川に代え若林美里を投入。最終ラインを5枚にして相手の攻撃を跳ね除ける。
三上監督はタイムアウト寸前の90+4分に三橋から横山亜依に代えゲームを締めると1点差で逃げ切った。
4得点を奪ったことは大きな収穫だが、自分たちのミスから3失点を許したリスクマネージメントに課題が残るものとなった。
「きっちりと終わらせるゲームプランをして、慌てずに進めることを目指し、チームとして成長しなければいけません。」(三上監督)と試合運びの反省を口にした。
ここからが新たなスタートとなる。
この日の勝利を反攻の狼煙(のろし)とし、チームはしっかりと勝点を積み上げて行きたい。