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2003 SEASON MATCHES試合日程・結果

SEASON

9.27(土) 16:04 J LEAGUE DIVISION1 2ndステージ第8節

ジェフユナイテッド千葉

市原

2-1
1前 半0
1後 半1
清水エスパルス

清水

市原臨海競技場

試合終了

HEADCOACH

オシム監 督

今日はしっかりプレーしたが、実際のところは運がよかったともいえる。特に、終了間際に厳しいシュートを2本受けた。どちらかが入っていてもおかしくなかったし、同点も覚悟していた。ただ、(ロスタイムで追いつかれた)レイソル戦の引き分けがあったからこそ、今日の勝ちが生まれたのかもしれない。神様は信じていないから、何で勝てたかは分析するけどね。それにしても今日の勝利はすごく大きい。上に行けるか、それとも中間に戻るかがかかった試合だったからね。でも、まだまだジェフが熟していないことを証明したゲームでもあった。もちろん高い目標は掲げているが、私を含めリミットはある。そういう意味で、このチームは落ち着く時期にきてしまっているのかもしれない。もっとズル賢いプレーをしなければならないが、それがうまくいっていない。必要のないときにパニックオーケストラを開いてしまう。最高のプレーをするのは大事だが、それを個人的なものと勘違いしてはダメ。試合の中で、チームが一つになってプレーしなければならないのに……。経験が不足している熟していないチームこそ、得てしてこういうプレーをしがち。特に、チームの中では中盤が大きなカギを握るし、連係がバラバラになると大変な問題が起きる。しかし、ウチの中盤は若い選手が多い。選手自身は頑張っているが、自分自身のために戦っているから、決してエスパルスがいいプレーをしたわけではないのに、どうしても最後のような結果になってしまう。

─── PKのときに、目をつぶっていたように見えたが。

長い話になるよ(笑)。ユーゴスラビアであるチームの指揮を執っていたときに、PKをミスしたことで11回も試合を落としてしまった。あるいは代表チームでもPKを失敗し、アルゼンチンと引き分けているんだ。

─── 内容が悪かったということは、勝利をプレゼントされたようなものか。

なぜそう思うのか。決してエスパルスもいいプレーをしていたとは思えないし、普通、勝利とはプレゼントされるものではないだろう。運がよかったのは確かだけどね。逆にいえば、今まで運がない試合もあったが、それがサッカーというスポーツ。私は来日して、一度も不運を嘆いたことはないよ。

─── セカンドステージ開幕前に、相手に研究されるだろうと語っていたが、やはりその点は強く感じるか。

私が先を読んだことが、当たったということですよね。

─── 林が結果を出しているが。

彼は日本になかなかいないタイプ。他の選手にないアイデアを持っている。厳しい状況下でも何かをしてくれるし、非常に価値があるプレーヤーだ。問題は、彼がそれを生かそうとするかどうか。あるいは相手を困らせようとするか、それともウチが困るプレーをするのか。残念なのは90分プレーできない点だが、スタメンでいっても十分に持ち味を発揮できるのは、先のレッズ戦が証明している。それに、結婚して子どもも生まれるんだから、3人分稼がないとね。

─── 監督が思うズル賢さを教えてほしい。

いろんな方法がある。例えば、FKの際にゆっくり置くふりをして、FWに素早くパスを送る。また、相手のFKの際には、わざとゆっくり渡して相手のイライラを誘う。必要な状況のときに、自分でゲームをコントロールすることが大切だ。小さなファールも同じといえるが、特にゴール前のズル賢さが大事。そういう意味でも、大きい選手の中でゴールを決めた林は、ズル賢いプレーをしたといえる。こういったプレーは経験からくるものだし、もっといえば日常生活の中にもある。決してネガティブな意味ではなく、正直なのも大事だが、ときにはズル賢さがサッカーには必要なのだ。それに、サッカーでズル賢いプレーは禁止されていないし、プライベートな人生でも似たようなことがあるもんだよ。

─── 交代策もうまくいったと思うが。

うまくいくときとダメなときがあるもんだよ。例えば、レイソル戦では交代させるかどうか迷ったために、結局、引き分けに終わってしまった。采配が全部当たるなら、カジノに行くし競馬にもチャレンジしているよ。

─── 2-1と勝ち越したあと、選手が自陣ゴール前に集まりだしたが。

世界中の選手が起こす自然なリアクション。監督が上がれといっても、どうしても選手は下がるものだ。非常に難しい問題だし、いいチームでもたまに起きる現象。まぁ、これ以上哲学的になってもしょうがないし、この辺でやめておこうか。とにかく、今日は運がよかったのに尽きるよ。

巻 誠一郎FW 18

前のゲームでスタメンは経験していたので、今日はそれほど緊張しなかった。練習で崔龍洙さんとはよくやっていたので、それほど2トップに違和感はなかった。ただ、周囲からは『コンビネーションなんてないんだから、相手があっと驚くプレーをしろと』といわれました。個人的にはレッズ戦のほうが出来はよかった。特に、前半開始すぐのシュートは決めなければいけなかった。今後も点が取れるように頑張っていきたいし、少しでもチームに貢献できるように守備面でも頑張っていきたい。

羽生 直剛MF 22

やりたいことはある程度できたと思う。ただ、ミスは多かったですね。それは相手にもいえることだったので、だいぶ助かりました。巻と崔龍洙さんの2トップだったので、いつもと多少プレーが違う感じだったけど、巻に一度当てて自分がもう一度もらったり、スペースを意識しながらうまくプレーできたんじゃないかと思う。

林 丈統FW 16

いつもどおり、流れを変えることを意識してグラウンドに出た。今日は自分が入って流れも多少よくなったし、ゴールという結果に結びつけられてうれしい。次の試合もしっかりと勝ちたい。

坂本 將貴MF 23

スーパークリア? あれは勘。クリアできてよかった。今までああいった場面で失点していたので、それを乗り越えられたのは大きかったと思う。自分としては攻撃面であまりチームに貢献できていなかったので、せめて守備面で仕事ができてよかった。ここ数試合の反省点を生かすことができた。とにかく、勝ち点3がすごくほしかったので、結果には満足したい。できれば、もっといいサッカーをして勝ちたいですけどね。

村井 慎二MF 19

対面が市川選手ということもあって、自分が前に積極的に出て、相手が出てこれないようにすることを意識した。本当はチャンスで点も決められればよかったんですけど……。終盤、ディフェンス面でバタバタしてしまったのも修正点の一つ。ただ、個人的に調子が上向きなので、これを維持していきたい。とにかく、勝つことができて本当によかった。

佐藤 勇人MF 14

今日は相手の伊東さんとの勝負だと思っていた。自分が出て行けば、伊東さんもついてこざるを得ない。その辺の駆け引きだった。ケガ? 何針かはわからないけど、試合後に見たら結構深かった(笑)。今は大丈夫ですが、プレーできると思って立ち上がったら、すごく血が流れてきた。ヤル気は満々だったんですけどね。時間もなかったしエースケさん(中西)が見えたので、すぐにあきらめました(笑)。