試合前に選手にいったことだが、これから当たるチームは優勝争いも残留争いも関係ないチームであり、それらと順位争いをしていかなければいけない。そういう意味で重要な一戦だった。前半20分は緊張からいいプレーができなかったが、それ以降は練習どおりのサッカーができたし、後半はウチもエスパルスもよかったと思う。とにかくエスパルスのキーマンである澤登、太田、伊東を抑えるのを重点的にやり、結果的に抑えたことが勝利につながった。アラウージョがいなかったという要素もあるが、澤登と伊東が体力的に落ちた時間からウチのチャンスになった。今考えれば、巻が絶好のシュートを外したことでエスパルスが追いついたわけだし、普通は勢いをつけてそのまま勝つところだが、ジェフは頑張った。やるべきことをやって勝ったと思う。人生でもそうだが大事なのはバランス。何ができて何ができないのかを、きっちりとらえておく必要がある。レッズ戦で大敗したものの、今日勝つことができて、チームが持っているものを元に戻せたのは大きい。ただ、喜びすぎないように、今日は苦いお茶を持ってきたけどね（笑）。

─── リーグ戦初出場となった水野については。

今日、彼が何分プレーしたと思う？　おそらく彼は、計算することなく全力でプレーしたはずだ。彼にはまだまだ時間があるし、少し抑えたほうがいい。だから、水野に関して今日は話すのをやめておくよ。ジェフはジェフであって、選手を買ってこれるようなチームではない。ただ、うれしいことにウチにはあのような若手が3～4人いる。次の試合は、また別の若手が出てくるかもしれない。

─── トリニータ戦で『ボエム』と例えた林が決勝点を挙げたが。

今回もボエムだったけどね（笑）。相手が疲れた10分で点を取った。彼は日本のサッカー界で一番才能がある選手。でも、練習の中でも見て判断しようとしているが、今のところ90分プレーできない。本当にそれが残念だ。

（最後に）正直いって、エスパルスはすごくいい選手を抱えている。その力を発揮したら、とても強いチームになると思うよ。

ずっと点が取れていなかったので、そろそろほしかった。満足している。途中で出たときは、1対1になったら仕掛けていくようにいわれた。得点シーン？　巻がいい感じでディフェンスをつってくれたので、そのスペースをつけたのもゴールにつながった。今日、負けていたら、確実に優勝争いから脱落しただけに大きい勝利。

ボランチ？　相手が久保山を入れてきて中盤でボールを回してきたので、阿部とボクで中盤の守備を立て直せという意味だと思う。練習でも何度かやってきたので、まったく戸惑いはなかった。レッズ戦で負けたあとチームのムードは決してよくなかったが、逆転での勝利という意味でも価値ある1勝だと思う。次の試合も頑張りたい。

デビュー戦が地元の試合で、しかも勝つことができてうれしい。1対1になったら、縦にいってセンタリングを上げるように指示されていたけど、時間がなかったしガムシャラにやっただけ。1本はチャンスにつながったけど、もっと練習からアピールして次の出場を目指します。

あのシュートですか……。慎重にいったというよりも、当たらなかっただけ。本当に勝ててよかったです。ただ、チーム全体で見ると、前半の途中からセカンドボールが拾えるようになったし、いいリズムで戦えたと思う。これでまた、チームのムードも一段とよくなるでしょう。