典型的なカップ戦の試合だった。カップ戦においては、J1とJ2の違いはたいしてない。どういうことかというと、J1の選手は相手がJ2ということで、油断もするし、J2はやる気が出すということ。正直いって、今回の2チームの差はほとんどなかった。もちろん、ジェフの選手の2、3人はコンサドーレを上回っていたが、コンサドーレにもいい選手がいた。コンサドーレにもジェフでプレーできる選手がいる。同じような状態だった。

私は選手のことを話そうとは思わない。選手は走ることもきちんとやっていた。何人かの選手がリミットであるということが今日の試合でわかった。また、ジェフは常に人が足りない。今日の試合でもレギュラー5人がいないし、その代わりとなる選手もいない。その中で、若い選手が経験を積めたことも事実。市原、水野、水本といった選手がプレーした。これから世代交代が行われていくような時期かもしれない。

先制点を上げてから試合の内容で負けていた。ゴールを決めたことで、これで終わりだと思った選手がいたかもしれない。コンサドーレはしっかりと戦って勝ったと思う。認めたくないこともあるかもしれないが、実際に向こうが戦って勝った。コンサドーレがいいチームだというわけではないが、これはカップ戦。勝ったチームが勝ったということ。これ以上話すこともない。いつも、ここで試合の感想をきかれるが、最後は監督の責任ということになるでしょう。だから、私が話しているのです。今の状態はいいチームには仕上がっていません。

─── 巻選手をターゲットとしたゲームプランだったと思うが、それが機能しなかった？

そういうプランはなかった。まったく逆のプランで、しっかりとパスをつないでそこからサイドを使って攻めるというプランだった。それは実際にできた。ロングボールは狙いではなく、うちの2人のストッパーは、うまくボールがつなげない。最後の手段でロングボールを蹴っただけ。ただ、それで負けたわけではない。大事なのは自分たちのプランがあっても、それは常に対戦相手があることだということ。また、30メートル、35メートルあたりからゴールを入れられるというのはよくない。うちの一番の問題は同じミスを繰り返すこと。集中が足りない。集中も質だ。90分、サッカーに集中できるという質。それができない人間は私の考えでは選手にはなれない。

─── 今年もタイトルを取れなかったが、今年1年を振り返って。

どういう視点でみるかで違うが、客観的に見れば、J1の12～8位ぐらいの実力だろう。ただ、頑張った中で上位に来ているのもたしか。そして、上位の中でのプレッシャーに耐えられないのも事実。私は『ジェフが一番いい選手を持っているチームだ』という話は一度も聞いたことがない。代表選手もほとんどいないし、若い選手が多い。そういった中でも、努力してボールを動かして、努力していまの位置を勝ち取った。運が悪い部分ではケガ人が多い。ケガ人が多い中で代わりとなる選手がいない。それがジェフの問題。レッズやマリノス、ジュビロとは違う。ジェフは一人のレギュラー選手がケガをしたら苦しい状態。それは試合に出ていると思う。

うちよりいいチームはうちよりいい監督がいるんじゃないですか？　実際に、いるのがいまの自分のポジションだ。

─── 来年の指揮は？

このような試合を見たあとでは首をヨコに振るしかない。こんな試合ばかりでは、心臓が持たない。まあ、ベンチで死ぬのも悪くないけどね。

FWにボールが入らないというか、キープできないのが第1の問題だった。ボクや阿部、中島、勇人などでボールを回しても、ゴールから距離があったので、相手は怖くなかったと思う。前半はとくにそういった場面が多かった。サイドがもう少し高い位置をキープできれば……。また、うちのディフェンスが引いてしまった部分もあった。さらに、簡単なミスからの失点。FWがボールを取られて失点につながってしまった。ああいった部分が課題。

気持ちの問題。それだけです。相手に気持ちで負けていました。情けないです。サポーターに申し訳ないです。

自滅です。パスミスが多かった。こんな試合ではサポーターが怒るのも無理はない。こんな遠くまで応援に来ていただいているのに本当に申し訳ない。でも、言い訳はしたくない。すべては自分たちの実力不足から来ていること。ボクは試合に負けてすごく悔しい。ただ、他の選手にももっと悔しがってほしい。

気持ちが足りなかった。昨日の試合でJ1が負けているところもあって、あせっていた部分もあったが、技術うんぬんよりは、1点取ったのだから、あとは勝てばいいだけ。そこは気持ちが足りなかったんだと思う。気持ちがあればあんな失点はしなかったはず。サポーターの方に申し訳ない。