前半の悪いプレーを考えたら、まあまあの結果に終わったと思う。後半は相手のコートでプレーし続け、やるべきことをやった。ただし、効率のいいプレーができなかった。もちろん、選手はやれることをやろうとした。ウチの問題は、それがどこまでできるかだ。サンフレッチェは先制したことで引いて守り、疲労を減少させるプレーをした。それに対して、ウチはリスクを冒して前からいくしかなかった。ウチがこんなに簡単に失点しないチームなら、今日のようなゲームを落とすことはない。あのように点を取られると勝てないのだ。とにかく後半はいうことはない。前からプレッシャーをかけ続けた。ただ、センタリングこそ上げたものの、中で競る人間がいなかった。そういう意味で選手は別の方法を考えるべきだったと思う。あとは選手個々の質の問題。チームメイトに助けてもらうのではなく、一人で打開しなければならないときもある。結果的にウチはしっかりプレーしたし、サンフレッチェもしっかりやったと思う。

─── チャンスはあったがゴールがなかなか生まれなかった。監督が考える決定力とは。

シュートを打って枠に入れることじゃないかな。それはともかく、必要な場所から入れることが大事だし、ときには勇気も必要。あるいは、ダイレクトにゴールに向かわなければいけないときだってある。ウチは横につないでばかりで、まるでハンドボールのようだからね。相手DFは体が大きい。それに対してウチは中盤の選手の体が軽い。ゴールに向かって突き進むのは難しいかもしれないが、ウチの選手もときには勇気を持って向かっていかなければならないし、特に今のサッカーはそういうことが必要なのだ。決してエレガントなプレーだけではゴールは生まれない。どこかでリスクを冒さないといけない。例えば今日の両チームのゴールだって、リスクを冒した結果生まれた点だ。

記者の皆さんは中立の立場でしょうから応援しているチームはないでしょうが、ここにいる人間として私がジェフを見た感想をいいましょう。レギュラー全員が集まれば、もう少しいいプレーができると思うが、客観的にいえばこれが限界でもあり、そうであればリーグの中で違う役割を担うことも考えなくてはならない。試合後、常に私がここ（記者会見場）に来て負けた理由を説明するが、相手のほうにいい選手がいるから負けるだけ。私のミスと受け取ってもらっても構わないが、客観的に見て選手の質が違う。試合に勝ってインタビューを受け、「自分たちは強いんだ」と思ってしまうが、自分たちの質を素直に受け止めることも大事だと思いますよ。それに、試合が終わり1週間後に再びゲームを行うが、正直、この間にすごいチームができるわけではない。チームとはシーズンを通して成長していくものなのだ。すべての監督が上を目指しているが、上とはそんなにスペースがないもの。私のミスなら私のミスで構わないけどね。ただ、私は選手は批判していないよ。

単純にクロスが多かったので、切り返したりしていけばもっとゴールに絡めるはず。また、トップ下に入ったとき、ボールを奪ったらなるべく早くサイドに開いたりカウンターを仕かけたかったが、なかなかうまくできなかった。ポジション？　サイドでもトップ下でもどちらでもいい。ただ、トップ下に入ったときは点を取ったりアシストしないと……。いくらチャンスを作ろうが、チャンスはチャンスでしかない。点につながらないと意味がない。

ガンバ戦のように前半は風下だったので、何とか無失点で抑えたかったが……。失点の場面ぐらいしかピンチはなかっただけに悔しいし、それが引き分けに終わってしまった原因の一つ。ただ、チャンスは作ったものの1点に終わったのも悪い。フィニッシュの部分で、もっと選択肢を増やしていかないといけない。

兄弟対決？　試合前は気にならなかったが、同じフィールドに立ったら多少は意識した。ゴールには素直におめでとうといいたいが、それよりもチームが勝てなかったのが悔しい。前半は全体的によくなかったが、とにかく失点が問題だし取られた形も悪すぎる。

後半ピッチに入る前に、とにかく左右に開いて1対1を仕かけろといわれたが、マリオも開いてプレーしてしまった。途中からバランスをとりながらプレーしたが、あれでは中盤の選手もきつくなってしまう。そういう意味で、監督の意図するプレーができたとはいい難い。