10.29(土) 15:34 第29節
市原
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大分
大分スポーツ公園総合競技場
試合終了
HEADCOACH
だいたいどんなチームも、練習の際、紅白戦で“どちらかのチームが点を取ったら終ろう”と最後に言うが、今日の試合は公式戦だったが、最後に点を取ったほうが勝った試合だった。大分トリニータは前半はすごく落ち着いたプレーをしていた。逆にジェフは後半にアグレッシブに戦うプレーができた。ひとつ重要だったのは、ジェフの選手はトリニータの重要な選手(2トップとオフェンシブMF)を抑えることができたということ。以前のトリニータは失うものがなく、とにかく勝たなければならない状況だったが、連勝を続けて勝ちを重ね、今度は逆にすべての人がトリニータが勝つことだけを望むような状態になった。逆にトリニータの選手たちは、失うもの、恐れるものができた。今までと同じように失うものがない、思い切りやれる時期ではない状態になっていたのだろう。その意味では今日のジェフはトリニータにとって黒猫のような役割になってしまった。ジェフが勝ちたいという気持ちを逆手に取ったような形になった。トリニータはうちとの試合がコンプレックスになっているかもしれない。そうは言っても本当にすごくいい試合で、どちらに転んでもおかしくない試合だった。トリニータはすごく大きなことを今までに成し遂げたと思う。トリニータに私が期待することは、今日、一歩下がったが、また次に、二歩、三歩前に進んでほしいと思うし、人生はそうあるべきだ。
─── 攻撃時にフラストレーションがたまっているように見受けられたが攻撃に関する不満は?
まずは、うちが簡単にボールを失っていたことです。チームが一丸となってボールを奪ってFWに託し、そのボールを拾いに中盤が上がっているのに、うちのFWが簡単にそのボールを失う。また中盤が戻るというその繰り返しだった。本当ならもっと早くうちのFWを代えようと思っていたんだけどね。最後、このような形で終わったのでよかったよ。
─── 同じマンツーマンディフェンスのチームということで、試合前にこのようなロースコアのゲームを予想していたか?
そのような結果が分かっていれば、私はここに座っていないし、この職業をしてないよ。そんなことが分かっていたらね。ただ論理的にいえばそうなるでしょう。高松、マグノ・アウベス、吉田と、あれだけいい選手が3人いる。それは誰もが分かっていること。その3人をしっかり抑えればトリニータにとってはプレーするのが難しい。それは基本的なこと。そんなに賢さがなくても分かることでは? みんなもそう思っているでしょう。
─── 来週の土曜日のカップ戦についての抱負を。
カップ戦はまったく別の試合。カップ戦、特に決勝というのは経験がものをいう。そういう意味で、うちはハンディキャップを背負っている。これに勝てば優勝という試合を経験している選手がほとんどいないということ。個人的に大事だと思っているのは、やはりリーグ戦だ。カップ戦でいえばジェフが実際に予選を通過して決勝までいったということ自体がすごいことだし、決勝は最後の1試合だから悲惨な結果に終わるかもしれない。ただ、リーグ戦で今まで積んでいる経験がカップ戦の決勝に反映されると思っているが、このリーグ戦でさえも、うちの選手は経験の少なさからもう何点も勝ち点を失ってきている。これは正直な私の気持ちでウソを言っているわけではない。私だって本当は勝ちたいけれど、現実は私の気持ちや望みとは別のものだ。
(話を切り替えるように)ただ、トリニータは実際に監督が新しく来て、そしてこの7試合、このような試合を続けたということはすごくいいことだし、いいたとえだと思う。このようにできるということは。(身振りを交えて)脱帽だ(笑)。
─── 連勝を続けてきたこれまでのトリニータと今日の違いは?
いくつかあるが、今まで勝ってきていることで、周りの環境を変えている。お客さんも多く来ているだろうし、それに加え、選手はすごく自信をもって戦っている。そして、きっちりと相手をマークし、さらにアグレッシブなプレーをしている。そういうものを出せていたことが今までと違うひとつのキャラクターを持ったチームになっていたと思う。ただ、今日は負けたが、これからも勝っていくだろう。この敗北で下には落ちないことを願っているし、落ちることはないだろう。選手たちが信じてやっていることを、見ている皆さんも分かると思う。ずっと戦っていれば今日のように不運にも負けることもあると思う。
前半から厳しい試合で、その中でゴールが奪えてよかった。大分は以前よりも強くなっていて、ここまで連勝していたのも実力だと改めて思った。ボク自身、100試合出場という記念の日にゴールが取れ、チームも勝つことができてうれしい。ただ、得点はチーム一丸となって守ってその中でセットプレーから生まれたゴール。自分の得点というよりはチーム全体の得点だった。まずは、ナビスコカップ決勝が来週に控えているので、優勝できるように頑張りたい。リーグはまだまだ続くし、課題もあるので、今後も1試合ずつ頑張りたい。
得点に絡むフリーキックの場面は、距離があったので巻さんの頭かマリオの頭に合わせようと思っていたところイリアンが走ってきた。工藤が真ん中にいたのでスペースを開けるように指示したそのスペースにイリアンが上げたら中がフリーだったので。我慢してましたけどいい時間帯に点が取れてよかった。大分を0点で押さえたことは次の試合に向けていい意識で入れると思う。