私の国の言葉で『こんにちは』をドバルダン（dobar dan）という。いわゆる『良い日』だが、常に毎日が良い日とはかぎらないですよね。今日はすごく戦術的な試合だった。トリニータは確実にボールを回してきて、ウチのミスを待っていた印象がある。ただ、そのような状態でウチが先に点を取ったので状況は変わった。ウチが1-0でリードした後、トリニータはいい攻撃を始めたが、その状態から彼らのミスによってウチのリードが2点になった。あそこは決定的であり、完全に流れが変わった。こういうノックアウトのような展開になると、なかなかチームは元に戻ることはできないもの。もし、あのノックアウトから復活しようと思ったら、逆にまた対戦相手、つまりウチが同じようなミスをしないと難しい。そのようなミスをウチの選手はよく犯すものだが、今日は犯しませんでした。

─── 今シーズン、リーグ戦では初めて巻選手を途中交代させたが。

何にでもいつかは最初がある。それが、たまたま今日だっただけだ。皆さんも原稿の空欄を埋めなければならないですよね。そうしたら、巻が途中交代と書けるじゃないですか。

─── 疲れがあったのか。

疲れてるというか、グラウンドで死ぬかと思った。死ぬ前に交代させた。

─── 巻がトリニータに抑え込まれたいう印象はあるか。

相手のストッパーもよく巻を抑えていたが、そうではなく今日はトリニータが高松にロングボールを当ててくるだろうと予想していた。それが一番怖いので、逆に巻にはすごくディフェンシブな仕事を与えた。つまり、前から相手のストッパーに詰めていき、ロングボールをブロックするという役割だ。彼はそれを見事に果たしてチームに貢献した。そこが一番大分の危険なプレーなので、うちはそのボールの出所を潰すようにしプレーしました。そういう意味では巻が何本もブロックしていたと思いますよ。それによって体力を失ったわけで、そういった部分も知っていてください。日本代表でプレーするような選手ですから、攻撃だけではダメなのです。ディフェンスも知っておかないと。

─── 試合後、シャムスカ監督と何を話していたのか。

彼と話したのは、試合を決定づけるようなもの。もちろん、試合には運も必要だが、今日のような試合はウチやトリニータだけではなく、日本の選手に多く起こることだ。今日の2点目みたいなミスで、ブレイクアウトというか試合を決めてしまう。そういうことがウチでも起こるというような話をした。

─── シャムスカ監督の交代に対してどういうリアクションをとろうとしたのですか？

このリーグでプレーしていて、ほとんどお互いの選手がなにができるか、どういう選手がいるか、何のためにその選手がいるか、そういうことは秘密じゃないので分かっていることです。実際に今回も相手が選手を変えてきて、私は相手が何をどうするためにその選手をピッチに入れたかも分かっています。それに対してはうちにベンチ入りしている選手で対応したつもりです。実際に大分が入れてきた小さくて早い選手によって少しかき回されはしましたが、前節のアントラーズとの試合も知っていたので、大分がどういうようなことをやってくるかも分かっていましたし、横浜や鹿島や浦和やガンバのようなチームにはベンチにもレギュラークラスが入っているわけですけれども、それ以外のチームは選手交代で狙ってくるところも違いますから。

得点シーンはチームにシュートがなかったので、まずはシュートにもっていこうと思った。自分でもあり得ないぐらいのゴールでしたね（笑）。よく動いた？　動かなくなったら監督に怒られますから。出た試合で、いいパフォーマンスを見せるだけです。今日は相手のディフェンスを考えると、まず真ん中に仕かけることが効果的だと思った。だから、とりあえず早いドリブルをゴールに向かってということを意識した。とにかく、3ゴールよりも無失点のほうがうれしい。チームとして今後の大きな自信につながると思う。開幕後はよくない試合が続いたから、これからしっかりと勝ち点を重ねていきたい。

チームとしてジュビロ戦に続いて無失点で終わることができ、満足している。得点シーンに関しても、時間帯としても中身的にもしっかりとした形で点を取ることができた。とにかく、みんなでチームとしての守備できるようになってきたのが大きい。先制点について？　トラップした時点で、逆サイドに羽生さんがフリーなのが見えた。うまく出せたと思いますけど、羽生さんのシュート自体がうまかった。

レッズ戦、そしてマリノス戦を迎えるために、監督もサンフレッチェ戦、そして今日のトリニータ戦を重要視していた。それは選手にも伝わっていた。そのため2日前に広島から直接大分へ入って備えた。大事な試合と分かっていた以上、勝てて本当によかったと思う。

きょうはみんながしっかりひとりひとりについて抑えられたのが大きいと思います。自分がオズマールで大さんが高松さんについて、タイプ的には分かれてたのでそれは試合前のから考えてました。前半は結構抑えられたと思うんですが、後半はマークが少しずつ離れていって苦しい時間帯がありましたけど、結果的にゼロに抑えたのは次に繋がると思います。いま調子がいい時こそ気持ちをしっかり引き締めて、次からレッズ、マリノスと続くので、次はさらに良くなるようにしっかり練習やらないと、そこで連敗しちゃうと築いたものがダメになるのでしっかり闘っていきたいです。まあいい選手がたくさんいるので楽しみでもありますね。

イリアンが出場できなくなってても、アップの時からいっしょにカラダを作っていたので不安は全くなかった。無失点なのはチーム全体のことなので、結果が出たことはうれしいですけど、自分だけでどうこうということはないです。監督にはグランドもいいし、落ち着いてボールを回すように、広島戦の反省からリードしている時の試合の運び方とかは言われた。きょうはそれがいい方に出たと思います。