#001
2020.1.16
原田拓海×原田陸斗 2
― 勇人さんと寿人選手は、シュート練習するときに、勇人さんがほとんどGKの役割で、寿人選手はシュートばかり打っていたという話でしたが。
拓海ボクたちは五分五分ですが、キーパーが好きというか、やりたいという気持ちは分かる。止めるのが楽しいというのは、本で勇人さんがいっていたので、そこは同意しました(笑)。
陸斗でも、仲よく、半分ずつ、役割分担しながら練習したよね。
拓海そうだね。でもGKの役割、あんまり好きじゃないでしょ?
陸斗いや、意外に好き(笑)。
拓海そうなんだ。
― お互い、ライバル心は持っているのですか。
拓海同じポジションなのである、ピッチ外は変わらないけどね。勇人さんと寿人さんはポジションも違うし、見ていると性格も違う感じだからね。ボクたちは性格がわりと似ている。
陸斗似ているというかね。どっちも自分の意見を持っている。でも、ちょっと違うと思うけど? 最後まで意見を曲げないのはタクのほうでしょ。
拓海でも、幼いころは陸斗のほうが気が強くて、ボクが引いてあげていたと思う。
陸斗そうだった。タクは中学時代に変わった。学校で近寄ると、「あっちいけ」っていわれた。
拓海学校で近くにいるの、おかしいでしょ。家でもクラブでもずっと一緒なのに(笑)。恥ずかしいし。普通にイヤだった。まあ、今思えば、ちょっと意識しすぎていたのかなって思うけどね。今はそんなことないよ。
― 話した印象では、拓海選手は少し人見知りのような気がします。
拓海そのとおりですね。ちょっとあります。あと、愛想笑いがあまり得意じゃない。
陸斗愛想笑いっていわないの(笑)。
― お互いのプレーについて。
拓海陸斗は浮き球のスルーパスがほかの選手よりもうまい。逆に、闘うところというか、球際では負けたくないし、負けていないと思う。
陸斗そっち系?
拓海そっち(笑)。プレーでは、相手との駆け引きかな。身体能力が高いわけではないので、頭を使うプレーは人よりも意識しています。
陸斗タクは練習でも本当に強くくるよね。予想しないところでうしろからきたりして、常にボール奪取を狙っている。攻撃でも常に……。
拓海あんまりいわなくていいよ(笑)。
陸斗テンポとかリズムで違いを作る部分があるから、そこはいいなって思う。自分は左利きというのもあるし、技術や展開力、ゴールに直結するボールを出すという部分では自信を持っている。
― お二人にとって、勇人さん、寿人選手はどのような存在ですか?
拓海双子として憧れでもあり、目指すべき場所。勇人さんはジェフで長年プレーして、クラブのレジェンド。ボクも第2の勇人さんになりたいと思っているし、尊敬する存在です。寿人さんは、あれだけの結果を残してきた選手。プレーで参考になる部分が多い。
陸斗二人とも、体格がいいわけでもないし、フィジカル面でもそれほど高いわけではない。頭を使いながら、人より走るとか、いろいろ努力しながらあそこまでの選手になって、二人で日本代表にまで上りつめ、一緒に代表戦にも出た。すごいですよね。だから、ボクたちも一緒にトップに昇格して、試合に出て、日本代表でプレーしたい。
拓海一緒に出たいね。寿人さんのゴール前での動き出しは誰がみてもすごいって分かる。勇人さんはずっと走っていて、すごいタフ。37歳って信じられないよね。自分もあれぐらい、肉体的にも精神的にもタフにならなければいけないと思う。
陸斗勇人さんは背が高くないのに、競り合いで負けている印象がない。セカンドボールやこぼれてきた球に対して、2019シーズンもすごく拾っていた。攻撃でも奪ったボールを味方に預け、そこから自分が前に出ていくところはすごい。寿人さんは、サンフレッチェ広島時代から好きだった。ゴール集もよく見ていた。
拓海2019年、ジェフに復帰するって聞いて、うれしかったよね。
陸斗うれしかった。
拓海2018年ぐらいから来るんじゃないかなって。そんな予感はあった。