#015
2017.6.28 Update!!
アカデミーダイレクター ホセ マヌエル ララ
―― ホセさんが思う「伸びる子ども」について教えてください。
ホセその質問については、私の中に明確な答えがあります。継続的な成長を促すのは、何より選手たちの学ぼうとする意欲です。子どもたちは年齢が低いほど成長速度が異なり、例えば、身体の大きさや身体能力の高さを武器にたくさんのゴールを奪う選手がいます。数字だけを見れば、確かにその子は「すごい才能の持ち主」と言えるかもしれません。
―― しかし、それがその子の本当の力かどうかは分からない。
ホセそうです。成長速度を考慮しなければ、その子の本当の才能も、その他の子の本当の才能も見えてきません。指導者である私たちが目標とするのは、やがてトップチームに昇格する選手、あるいは世界を舞台に活躍する選手を育てることです。だから注目すべきはその瞬間の成績ではなく、本人の学ぼうとする意欲なのです。
―― 学ぼうとする意欲を促すためにも、環境に関係なく、常に高いレベルを要求する指導者の役割が重要になるということですね。
ホセ選手たちに刺激を与えるという意味では、チームとしての海外遠征を行うこともひとつの手段になるでしょう。日々、子どもたちが取り組んでいるトレーニングや試合以上の刺激を求めたければ、海外のレベルの高いチームと対戦することは大きな効果をもたらすはずです。もちろん、個人として留学のような形を取ることも素晴らしい刺激になるはずです。ジェフとしては、今後、その両方のチャンスをうまく作りたいと考えています。
―― ちなみに、過去の指導経験から印象に残っている選手はいますか?
ホセラージョ・バジェカーノで指導したフランシスコ・ソルという選手が特に印象に残っています。彼はレアル・マドリードのアカデミーに引き抜かれ、アルバロ・モラタやダニエル・カルバハルとともにジョゼ・モウリーニョが監督だったトップチームの練習に参加するまでに成長しました。彼は子どもの頃からずっとストライカーで、学ぼうとする意欲はもちろん高く、トレーニングに取り組む姿勢も素晴らしかった。
それから、感情を前面に出す選手で、彼が喜べばチーム全体が明るくなる。そういうパワーを持った選手で、重要な試合ほど活躍するタイプでした。レアル・マドリードでトップデビューすることはできませんでしたが、その後、ビジャレアルに移籍し、今シーズンはオランダのヴィレムⅡというチームで活躍しました(30試合出場・10得点)。彼の活躍を本当に嬉しく思います。
―― 分かりました。ジェフのアカデミーからも、ホセさんの思い出に残るような選手が育つことを期待しています。最後に、改めてこのクラブで成し遂げたいとこを教えてください。
ホセ日本に来た時に言ったとおり、私がやるべきことは、ジェフのアカデミーを日本一のアカデミーにすること、それだけです。