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#063

2022.2.13 Update!!

「原点回帰」に思いを馳せて

hummel新ユニフォーム誕生秘話

ジェフのユニフォームが、生まれ変わった。
新たにサプライヤー契約を結んだのは『hummel』(ヒュンメル)。
「原点回帰」をキーワードとする新ユニフォームはいかにして完成したのか。
その制作に携わった2人に舞台裏の秘話を聞いた。

インタビュー・文=細江克弥


新サプライヤーにヒュンメルを選んだ理由

ユニフォームは、選手にとっての「戦闘服」だ。クラブにとっての「顔」だ。その“カラー”はチームのキャラクターをはっきりと表現し、歴史の重みを積み重ねることでやがて「アイデンティティー」となる。だから、制作を手掛ける人たちの想いは、どこまでも熱く、どこまでも強い。

ジェフユナイテッド株式会社のスポンサー営業チーム「ユナイテッド事業部スポンサーグループ」には、現在4名の社員が在籍している。そのうちの一人、近藤栄一はジェフ側の窓口としてヒュンメルと向き合い、新ユニフォーム制作プロジェクトの進行役を担ってきた。

「入社はJリーグ開幕の年。1993年です。ジェフ歴はもう30年になりますね。ジェフはナビスコカップ(現ルヴァンカップ)の決勝に3回進出しているけれど、1回目(1998年)はマネージャー、2回目(2005年)は広報、3回目(2006年)は運営と、いずれも違う立場でチームに携わっているのは私くらいじゃないかな(笑)。入社直後からチーム管理のマネージャーをしばらく務めて、広報、それから運営を経て、スポンサー営業に異動して12年になります」


(ユナイテッド事業部スポンサーグループ 近藤栄一)

前サプライヤーであるKAPPAとの契約が2021シーズン限りで終了となることは、2020年12月の時点ですでに発表されていた。新たなパートナーとなるユニフォームサプライヤーは、どのようにして決定したのか。

「国内外を問わず、いろいろなメーカー・ブランドと話し合いの場を持ちました。前提条件としたのは、Jリーグでのサプライヤー経験があること、それから、海外メーカーの国内販売代理店であっても自社ブラントとしての製造販売権を持っていることです」

ヒュンメルは北欧デンマークのスポーツメーカーだが、日本国内市場における製造販売については総合スポーツメーカーの株式会社エスエスケイ(以下SSK)が手掛けている。国内のスポーツメーカーとしては「老舗中の老舗」である同社は、過去に横浜FCやV・ファーレン長崎、ガイナーレ鳥取、福島ユナイテッドFC、ツエーゲン金沢などとサプライヤー契約を結び、ユニフォームを提供してきた。もちろん実績は申し分ない。

「それだけでなく、SSKさんは社会活動に対して非常に積極的な企業としてもよく知られていて、大阪市内を中心にさまざまなスポーツ施設の指定管理業務を手掛けています。“これからのジェフ”について真剣に考え、その一環として蘇我スポーツ公園の指定管理事業を新たにスタートさせた我々としては、共感できる部分がたくさんありました。そうした点も含めて総合的に判断し、ヒュンメルと契約しました」