良いリズムを作った中での“快勝”
「前回、伊賀フットボールクラブくノ一とのアウェイでの対戦の時には、上手くディフェンスが出来なかった所がありました。今回はホームで、皆さんの後押しもあり、得点をして勝ち切れたことは大きいです。」とこの試合を三上尚子監督は振り返った。
プレナスなでしこリーグカップ1部Aグループ第7節、伊賀フットボールクラブくノ一との戦いは2対0でジェフユナイテッド市原・千葉レディースが勝利を収めた。
先発にはGKには根本望央、DFは右から千野晶子、櫻本尚子、磯金みどり、上野紗稀、中盤には、安齋結花、瀬戸口梢、鴨川実歩、小澤寛、2トップには深澤里沙と菅澤優衣香が入り4-4-2の布陣でスタートした。
試合開始時間の午後5時となっても、気温は下がる気配を見せず、厳しい暑さの中で運動量が求められる試合となった。
4分には、ジェフレディースが大きなチャンスを作る。深澤が左サイドから侵入し、クロスを入れると菅澤がボレーシュートを打つも相手ゴールキーパーの正面。
対する伊賀FCの攻撃を公式戦2試合目の出場となるゴールキーパー根本が落ち着いてシュートをブロックし、ラインの裏にこぼれてきたボールも確実に処理する。山根恵里奈の不在を感じさせない活躍を見せていた。
ジェフレディースは、サイド攻撃を軸に試合を展開。右サイドを菅澤が破ると鋭いクロスを上げ、ゴール前でファーの位置から勢いよく飛び込んできた深澤が右足に当てながら強引に押し込み、2試合連続弾となる先制点を40分に決めた。
「ファーの位置にこぼれてくると感じたので、そこはしっかりと詰めることが出来ました」(深澤)。
前半を1対0で終えたが、どちらに転ぶか分からない拮抗した勝負の行方は後半へと委ねられた。
三上監督は、安齋をトップ下に、中盤に深澤を入れることで立ち位置を変えていく。「ディフェンスの部分で不安定な所を解消したかった。そして、今日の相手を見た中で、安齋をトップ下に配置して運動量を出した方が勢いが出ると考えました」(三上監督)。
攻撃の手を緩めない指揮官は、61分に鴨川に代え西川彩華を投入し勢いを加速させ、直後には上野からの長いセンタリングを瀬戸口がヘディングで合わせるも、枠を捉えることが出来ずにいたが、攻勢に試合を進めて行く場面が多くなった。
そして、疲れの見えた小澤を76分に三橋明香に代え、追加点を狙いに行くと、チームの期待に応えたのは瀬戸口だった。82分、ゴール前のこぼれ球を拾うと迷うことなく左足を振り抜きミドルシュートを相手ゴールに突き刺した。
「(こぼれ球に)振り抜くことだけを考えていました。悔しい部分もあったので“自分で決めてやろう”という気持ちで打つことが出来ました」と瀬戸口のゴールへの執念が実った。
そこで三上監督は、83分に安齋から若林美里、87分には深澤から松浦渚、89分には千野から鶴見綾香と立て続けにピッチに投入。3分間のアディショナルタイムを含め、最後まで、勝利への強い気持ちを出し続け、無失点試合で結果を出した。
三上監督は言う。「チームが狙いをもって出来た部分。それを表現してくれた選手に感謝をしたいと思います」
次節は、24日(日)午後5時からノエビアスタジアムで行われるINAC神戸レオネッサ戦だ。上位チームとの直接対決となるだけに、敵地で勝点3を何としてももぎ取りたい。