この1ポイントを無駄にしない
プレナスなでしこリーグ第13節コノミヤ・スペランツァ大阪高槻戦は1対1で、両者が勝点1を分け合う形となった。
先発にはGKに山根恵里奈、DFに右から千野晶子、櫻本尚子、磯金みどり、上野紗稀、中盤には、安齋結花、鴨川実歩、西川彩華、深澤里沙、2トップには菅澤優衣香と小澤寛が入り、4-4-2の布陣で、前節から2名を入れ替えての構成でスタートした。
試合開始2分、裏へのボールに小澤が抜け出しシュートに持っていくがゴール直前で相手ディフェンダーにクリアされる。その7分後にはワンツーから深澤がえぐり、グラウンダーのクロスを入れるがわずかに合わず。
チームは21分にも鴨川のクロスを菅澤がヘディングシュートを打つも枠をとらえきれない。
チャンスの場面を創出するだけに先制点が欲しいのだが、パスミスが増え、相手の変則的なシステムに手を焼き、かつピッチの幅と中盤のスペースを使われ苦しい時間帯が訪れる。
そこで、三上尚子監督はハーフタイムに「狙いは悪くはない。もっと球際をいって、全体的にディフェンスを頑張らなければいけない」と檄を入れて送り出した。
チームは、47 分、51分と連続してチャンスを作り、菅澤がヘディングでゴールを狙うが不発に終わる。
「後半は勝つことしか考えていない中で、ゴールに向かうこと、前から行くことを確認してプレーをしました」(深澤)。
エンジンを再点火させたジェフレディースは65分にカウンターを発動させるが、コノミヤのゴールキーパーに防がれてしまう。
ゴールを目指すジェフレディースは、66分に小澤を瀬戸口梢に代えると、ボランチの鴨川をフォワードに上げ、勝利への執念を見せ押し気味に試合を進めて行く。
一気に流れを引き寄せると71分には自陣でボール奪うと上野がシュートまで持ち込み、その後も畳み掛ける攻撃で安齋が狙っていくがクロスバーに嫌われた。
しかし、チャンスをモノに出来ずにいると78分に悪夢が訪れた。相手の長いクロスを山根がこぼすとコノミヤの齋藤敏子に詰められて失点した。
もう後がないジェフレディースは、西川に代え若林美里を83分に投入。上野を一列上げ、深澤をフォワードに上げ攻撃を繰り返すがゴールは遠い。
時計の針が90分を指しても“絶対に負けない”というチームの執念が最後に実を結ぶ。ロングボールに深澤が抜け出すと相手ゴールキーパーを上手くかわしゴールマウスに流し込み、同点に追い付いた。
深澤は「引き分け、なおかつ勝利しか考えていませんでした。常に裏を狙っていました」と自らのゴールを振り返った。
この勝点1を無駄にしないためにも、次節、アウェイでのアルビレックス新潟レディース戦が大事な試合になる。
「守備のところから、もう一度、失点へのミスを減らしながら、攻撃をやっていきたいです。チャンスを“何回作れるか、何回決め切れるか”。しっかりとやっていきたいと思います」(三上監督)。
この日の課題をしっかりと修正して行くことで、チームは一丸となってアウェイゲームを乗り越えて行くことが鍵となるが、今のジェフレディースにはそれだけの力がある。