6度目の挑戦も壁を越えられず
今季、なでしこリーグとリーグカップで既に5度対戦している両チーム。対戦成績1分4敗で迎え、6度目の対戦となった皇后杯準々決勝は、またも日テレ・ベレーザの壁を破ることはできなかった。
ジェフのスターティングメンバーはGKに山根恵里奈、DFは右から千野晶子、櫻本尚子、西川彩華、上野紗稀、ボランチに鴨川実歩と瀬戸口梢、右サイドに安齋結花、左には保坂のどかが入った。FWには菅澤優衣香と今季チーム内得点女王の深澤里沙が並んだ。3回戦のスタメンから2名を入れ替えて臨んだ。
大方の予想通り、ジェフは序盤から相手の細かいパスワークに苦しみ、終始ボールを追いかける展開。10分には中盤で起点を作っていたMF長谷川唯にミドルシュートでゴールを脅かされた。
ジェフのファーストシュートは13分。菅澤のポストプレーから深澤が放ったミドルシュートはゴール上に大きく外れた。その後も相手の素早いプレスに苦しみ、ボールをロストする時間帯が続いたものの、センターバックを中心にジェフの集中した守備が光り、前半を無失点で凌いだ。「ある程度ボールを持たれて攻められることは想定内でした」と話した三上監督の言葉通り、約1ヶ月の中断期間で対策した“コンパクトに守って連動した守備”を全員で体現。
後半に入り最初にチャンスを迎えたのはジェフ。50分、西川のロングフィードに抜け出した深澤がGKと1対1になりシュートを放ったが、素早く寄せた相手ディフェンダーに惜しくもブロックされた。すると59分、西川が与えた直接FKを、後半から途中出場の上辻佑実に直接決められ失点。山根の手も届かない綺麗な弧を描いたゴールが決まってしまう。
何としても同点に追いつきたいジェフは69分、保坂に代えてFW小澤寛を投入。これによって攻撃にリズムを加えたが最後まで得点は奪えないまま、試合終了のホイッスルが鳴った。
「負けたら終わりということで、1ヶ月間守備の距離感やセットプレーでの守りを重点的に対策していた」と櫻本キャプテンが話したように、終始ポゼッションを許した中でも全体を通して高い集中力と粘り強い守備を見せていただけに、FKで許した失点というのはジェフにとって非常に悔やまれる結果となった。
これで2016シーズンの全日程を終了したジェフレディース。三上監督が「評価できる」と話した守備面での収穫があった一方で、奪ったボールをどう攻撃に繋げるかという攻撃面の課題を残した。
課題を克服し、来季こそタイトル獲得を目指す。