8.12(土)
19:00
決勝
ジェフL
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浦和
味の素フィールド西が丘
試合終了
“黄色い歓喜”が、味の素フィールド西が丘で爆発した。
「自分たちに出来ることを徹底して出来たのが勝ちにつながったと思います。(要因は)今日の試合で選手は気持ちで戦えたと思います。去年の悔しい決勝を含め、それを経験した選手が多かったので、耐えどころを耐えた、去年の経験があっての今年だと思います」(三上尚子監督)。
昨年もなでしこリーグカップ1部決勝に駒を進め、あと一歩のところで優勝には手が届かず苦汁を舐めてきたジェフユナイテッド市原・千葉レディースだったが、チームは悔しさの中で着実に成長し頂点を掴んだ。
この日は4-4-2の布陣。先発にはGK根本望央、DFは右から若林美里、櫻本尚子、西川彩華、上野紗稀、中盤の右サイドには千野晶子、ボランチに瀬戸口梢と鴨川実歩、左サイドに深澤里沙、そして2トップには成宮唯と小澤寛が構えた。
5分、相手のミドルシュートがポストを叩きピンチを迎える。9分にはコーナーキックからカウンター攻撃を受けるが根本が判断よく飛び出しピンチを防いだ。
14分には、成宮がドリブルからシュートまで持って行くが相手選手にあたりゴールは遠かった。パスミスも多く、中々、リズムを作れない中でも相手の攻撃に対し粘り強く対応して行った。
そして25分、こぼれ球を瀬戸口が拾い、小澤にスルーパスを通すがシュートは相手キーパーがキャッチ。我慢強さが求められる展開となり、攻め込まれても体を投げ出し守備での水漏れを防いでいた。
三上監督は、ハームタイムに「ラインの上げ下げを早く準備する」、「攻撃は落ち着く」、「相手のボランチにプレスをかける」と指示を選手に送る。
相手に押し込まれていたが、裏のスペースを見つけカウンターを仕掛けジリジリと赤い壁の先にあるゴールに近づく。
そして指揮官は53分に小澤に代えて安齋結花を投入し、相手の守備ラインにプレッシャーをかけ反撃を試みる。59分にはロングカウンターから深澤がチャンスを作るがあと一歩届かず。その5分後にも鴨川がロングシュートを狙って行くと72分に千野に代え磯金みどりを投入。ボールの回収率を高め中盤での競り合いを優位に運んで行った。
試合終盤にかけて足が止まっていた浦和レッズレディースに対し、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの運動量は落ちることがなかった。86分には安齋が得意のドリブルで中央から切れ込みシュートを放つが決め切れず、しかし、90+2分に鋭いカウンターから瀬戸口が左足を振り抜きネットを豪快に揺すった。
打たなければ悔いが残ると言っていた瀬戸口は「あそこまでみんなで運んだボールでした。思い切り打てたことは良かったですし、上野選手が外で引っ張ってくれた分、コースが空いたので」と笑顔でコメントをした。
そして、90+4分に成宮に代え、大矢円佳を投入し逃げ切り体勢を整えると審判の試合終了を告げる笛がピッチに鳴り響いた。
試合後、三上監督は優勝までの道のりを口にした。
「選手全員がそれぞれの役割を粘り強く、そしてジェフらしいサッカーが出来たところが、この夏場のタイトルにつながったと思います」
悲願の戴冠。会場には喜びの花と選手の笑顔が咲き誇っていた。