5.3(土) 16:00 第11節
千葉
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群馬
フクダ電子アリーナ
試合終了
前節のジュビロ磐田戦を0-2で落とし、これで4試合勝ち星なし。しかもGWの連戦とあってコンディション的には苦しい中、どんなメンバーで臨むのか注目された第11節のザスパクサツ群馬戦だったが、鈴木淳監督の出した答えは「前節と同じスタメン」だった。
確かに、ジュビロ戦の前半の動き、サッカーは悪くなかった。ケンペス、森本貴幸の2トップもコンビネーションが整ってきた感はある。それでも中3日で肉体面はもちろん、精神的にもどこまで高めることができるのかは未知数で、いわば一つの賭けだったといえるだろう。
実際、前半の立ち上がりから途中まではザスパクサツの速い出足と長いボールの前に苦しんだ。ケンペス、森本の守備もうまくはまらず、相手の中盤を自由にさせてセカンドボールを拾われた。
「前半、相手のボランチを自由にさせてしまった。後半はそこをケンペスと二人で見るということができていた」(森本)
それでも前半の途中からは少しずつリズムをつかみ、左サイドバックの中村を中心にチャンスを作れるようになったが、41分に痛恨の失点。角度のない位置
から元ジェフの青木孝太に技ありのシュートを決められ、このまま前半を0-1で終了。またしても苦しい展開に追い込まれた。
「気持ちを落ち着かせて、戦う姿勢を見せよう! あと2点とって勝とう!」
と鈴木監督からゲキを飛ばされてピッチに出た選手たちだが、気持ちとは裏腹に最悪の事態が襲いかかった。56分、瀬川にシュートを許して2失点目。全体的に集中力が切れた、エアポケットのような瞬間だった。
勝点3をとるためには、あと2点から、あと3点へ。しかも、残された時間は約35分だ。満員大作戦によって大勢のサポーターが詰めかけたが、さらに応援
に熱をこめようとした2分後、左サイドでFKのチャンス。中村が速いボールを送り、キムヒョヌンがヘッドで合わせて1点差。公式戦初ゴールとなったが、と
にかく早い段階での1点がチームに大きな勇気を与えたといえる。
同点、そして逆転を目指して、59分には田中佑昌に代えて大塚翔平を投入したが、この交代も結果的には吉と出た。74分、ケンペスからのクサビのボール
が兵働昭弘からダイレクトで前線へ。右サイドからは大塚が裏に飛び出し、絶妙のコンビネーションでボールが渡った。トラップもピタリ決まり、一人かわして
放ったループシュートは、飛び出したGK の頭上を越えて同点弾。完璧ともいえる大塚の落ち着いたプレーが光った。
「ゴールの場面? ああいったプレーを常に狙っているので、それがそのまま試合で出せたのでよかった」(大塚)
その後、交代出場した井出遥也や佐藤勇人もアグレッシブな動きを見せ、迎えた87分。左サイドのFKから中村が速くて低いボールを送り、これをケンペスが足で合わせて大逆転!
「速いボールを入れたら何かが起きると思ってボールを蹴った。二つのゴールにつながってよかった」(中村)
全体的な試合内容は決してほめられたものではないが、途中から入った選手が結果を出し、しかも0-2のビハインドから試合をひっくり返した。大勢のサ
ポーターに後押しされ、ノドから手が出るほどほしかった「きっかけ」はつかんだ。あとは自信を持って戦うことができるかどうか。ここからチームが変わるこ
とを期待したい。
「ボクがきてから逆転勝利はほとんどない。チームとしてポジティブな勝利」(森本)
「課題はたくさんあるが、この勝利をポジティブにとらえたい」(佐藤勇人)