セカンドボールを拾い続けた
最終戦となったプレナスなでしこリーグエキサイティングシリーズ上位リーグ第5節アルビレックス新潟レディースとの対戦は1対0という結果で終わった。
先発にはGKに山根恵里奈、DFに右から、若林美里、櫻本尚子、磯金みどり、上野紗稀、中盤には、保坂のどか、瀬戸口梢、川村真理、深澤理沙、FWに筏井りさ、菅澤優衣香が入り、4-4-2の布陣でスタートした。
今シーズンの対戦成績は1分1敗。通算成績(リーグ通算)も5勝2分10敗と負け越しており、苦手にしている相手だ。
試合開始前から小雨が降り続き肌寒さを覚えたが、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースはホイッスルが鳴ると同時に熱くアグレッシブなプレーを展開する。相手のお株を奪うような激しいプレッシャーをかけ、セカンドボールを拾っていく。そして機を見てはペナルティ-エリアにクロスを入れる。21分には、フリーキックのこぼれ球を磯金が頭で合わせるが惜しくもゴールポストを逸れ、31分には右サイドからのセンタリングに菅澤が胸トラップで収め、そのままボレーシュートを放つもゴールマウスを捉えきれなかった。
嫌な流れを断ち切るように、守備ではサイドから裏に抜け出たボールを山根がセーブ。守備陣も一丸となり強固なディフェンスを披露する。
三上尚子監督は、後半開始とともに筏井に代えて鴨川実歩を投入。再びエンジンのかかったチームは、47分、49分と立て続けにクロスからチャンスを生み出していった。
得点が生まれず我慢強くプレーを続ける中で、均衡を破ったのはジェフレディースの川村だった。61分に左サイドから攻撃を組み立てると上野のクロスに川村が見事なボレーシュートを新潟レディースのゴールに突き刺した。「こぼれてきたボールに対して、一瞬の判断で“足を振ろう”と思い、その結果がゴールとなってうれしかったです(笑)」(川村)。
そして、79分には保坂から安齋結花をピッチに送り追加点を狙っていく。
時間の経過と共に、お互いがカウンター合戦となる中で、チームは最後まで運動量を落とさず、ファイティングスピリットを表現し、勝利を追求。90+1分には深澤に代え、柳井里奈を投入し、勝利をもぎ取り、上位リーグでの初勝利を収めた。この日の結果で、チームは年間順位5位が確定し、菅澤の2年連続年間得点王も決定した
試合後、三上監督は「優勝がない中でモチベーションを維持することも難しかったと思いますが、前回対戦で負けた相手に気持ちを入れて、しっかりとプレーをしてくれました」と選手たちを称えた。
また、キャプテンの櫻本はシーズン最後の戦いとなる皇后杯に向け「今年のチームは本当に良いチームです。タイトルを取れる雰囲気があるので狙っていきたい。何が何でも、皇后杯で優勝をして(サポーターと)一緒に喜べるように頑張ります!」と前だけを見つめ誓った。