走りきった勝利
プレナスなでしこリーグ1部第8節岡山湯郷ベルとの一戦は、1対0でジェフユナイテッド市原・千葉レディースが勝利を収めた。
先発にはGKに山根恵里奈、DFに右から千野晶子、櫻本尚子、鶴見綾香、上野紗稀、中盤には、安齋結花、西川彩華、瀬戸口梢、深澤里沙、2トップには、小澤寛と菅澤優衣香が入り、4-4-2の布陣でスタートした。
立ち上がりは、ジェフレディースが高い位置からのプレッシャーとロングボールを武器にチャンスを作って行く。
試合が動いたのは9分のことだった。櫻本からのロングボールを菅澤優衣香が抜け出すと右足ワンタッチシュートを決めて先制をする。
「櫻本からボールがくることは、動き出しの時点で分かっていました。ゴールキーパーとディフェンスの位置を確認し、ダイレクトで打った方が入ると思い、ゴールネットを揺らせると思いました」(菅澤)。
その5分後には、左サイドの角度のない位置から深澤がシュートを打つも相手ゴールキーパーにキャッチされた。
中盤では、西川、瀬戸口が危険な場面に顔を出し攻撃の芽を摘むことで優勢に運んでいたのだが、湯郷ベルのロングボール攻撃と裏への意識が高すぎる部分が増えてしまい、後手に回ってしまう。
悪い流れを断ち切りたいジェフレディースは、38分に小澤に代え、鴨川実歩を投入し現状の打開を図ると、43分にカウンターからビックチャンスが生まれるが、菅澤がそれを決め切ることが出来なかった。
三上尚子監督は、ハーフタイムに“こぼれ球”と“相手のキーマン(宮間あや)が浮いている”ことに対し修正を行う。
ジェフレディースは、アグレッシブなプレーで主導権を握ると、59分には深澤がミドルシュート、63分にも菅澤がシュートを打つなど次第に攻撃面でリズムを生んで行った。
77分には、瀬戸口がドリブルで持ち上がりサイドの安齋に叩き、折り返しのボールを瀬戸口が頭で合わせるもゴールを捉えきれなかった。
そして、試合が終盤に迫ると三上監督は、90+1分に疲れの見えた安齋に代え、三橋明香を投入。アディショナルタイム3分も全員が最後まで集中を切らすことなくプレーを続け、走り切ったことで白星を手に入れた。
試合後に三上監督は言う。
「相手の特長は分かっているので、それを運動量と球際の強さで上回ることが出来ました。しかし、もう少しプレッシャーをかけたかった所ですが、粘り強く守備が出来たと思います。しっかり勝てる試合を勝ち切ることが大事なので、結果に関しては満足しています」
体力と精神力の勝負になったが、途中出場の選手を含め、チームが攻守において献身的な仕事を完遂したことで相手の反撃を抑え切り、勝点3を手繰り寄せることが出来たのだ。
一体感でもぎとった勝利。ジェフレディースの歩みは続いて行く。