勇気が問われた試合
プレナスなでしこリーグカップ1部Aグループで、首位を走る日テレ・ベレーザを相手に行われた今節の戦いは、0対2でジェフユナイテッド市原・千葉レディースが黒星を喫した。
決勝トーナメント進出の条件は上位2チームのみに与えられる。現在、2位のINAC神戸レオネッサとの勝点差は僅かに『1』だったのだが、今節、敗れたことで追い抜くことは出来なかった。
先発にはGKに根本望央、DFは右から千野晶子、櫻本尚子、磯金みどり、上野紗稀、中盤には、小澤寛、瀬戸口梢、鴨川実歩、深澤里沙、2トップには安齋結花と菅澤優衣香で構成され、4-4-2の布陣でスタートした。
静かな立ち上がりとなる中で、ジェフレディースはボールホルダーに対し、厳しいチェックをかけていきチャンスを作らせない。
しかし、カップ戦負けなしの女王は、速いプレスとボール回しでジェフレディースの攻撃を寸断、パスミスが増え攻撃への足掛かりがつかめない。その中で、21分、菅澤が右サイドから強引に持ち込みシュートを放つもゴールキーパーにキャッチされる。
必死に食らいついていくが、セカンドボールを回収することが出来ずにいると30分、ペナルティ―エリア中央を割られてシュートにまで持っていかれたが、これを根本が体を張ってブロックし窮地を救った。
しかし、押し込まれる展開が続く中で、41分にコーナーキックから阪口夢穂に決められ失点をした。
ハーフタイムに三上尚子監督は「勇気をもってラインを上げること、前からボールを奪い行こう」と指示を送る。
ビハインドを追いかける中で、48分には中盤でのボールカットから菅澤がロングシュートを打ったがクロスバーを大きく越えていく。日テレの流動性のある攻撃に消極的になってしまった部分もあり、なかなか主導権は握れない。
55分にはペナルチィキックを決められ追加点を奪われると、何が何でも得点を奪いたいジェフレディースは59分に安齋に代え若林美里を、65分に瀬戸口に代え西川彩華を投入し状況の打開を図るがカウンターアタックも不発に終わる場面が散見。
76分には小澤に代え佐藤瑞夏を入れるが、あと一歩、力及ばずピッチに試合終了の笛が鳴り響いた。
「相手のプレスに、受け手もビビり、出し手も焦ってしまった。そこは一つ一つやらないと改善が出来ないので、もう1度、チーム全体で修正をしたいと思います」(櫻本)。
これで、ジェフレディースが予選を突破するためには、日テレ対I神戸の結果次第となるのだが、最終節となる8月7日(日)のコノミヤ・スペランツァ大阪高槻戦での勝利が絶対条件になる。
キャプテンの櫻本は「他力になってしまいますが、とにかく自分たちは勝つだけです。“何としてでも勝って自分たちが上に行くんだ”という気持ちをピッチで表現したいと思います」と強い決意を語った。
求めるものは勝点3。死力をふりしぼり目の前にある勝利を掴みたい。