準優勝という結果
プレナスなでしこリーグカップ1部決勝となった日テレ・ベレーザとの一戦は、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースが0対4で敗れ、カップ戦準優勝に終わった。
先発にはGKに山根 恵理奈、DFは右から千野 晶子、櫻本 尚子、磯金 みどり、上野 紗稀、中盤には、瀬戸口 梢、鴨川 実歩、安齋 結花、深澤 里沙、2トップには小澤 寛と菅澤 優衣香で構成され4-4-2の布陣でスタートした。
パスワークに優れる日テレのペースで試合は動く。8分、受けに回るジェフレディースは、相手フリーキックからピンチを迎えたが山根がそれを防ぐ。そして、カウンターからチャンスを作ると9分、10分と立て続けに菅澤がシュートを放つが決め切れない。
ジェフレディースは前線からの強いプレッシャーと、セカンドボールを拾うことで試合の流れを呼び込もうとするが、パスミス、そしてトラップが少しでも大きくなると日テレは見逃さず、29分、32分と最終ラインを突破。強烈なシュートを浴びせられる場面が続いた。
一瞬でも隙を見せれば日テレは付け入る。高い集中力を維持することと、運動量を落とさずに試合を進めることが大きな鍵となった。
三上 尚子監督はハーフタイムに「後半も前線からプレッシャーをかける」、「ラインのコントロールを集中する」、「攻撃のチャンスは慌てずミスを減らす」、「セットプレーは集中する」ことを選手に徹底させる。
しかし、55分、サイドから裏に出されたパスを籾木 結花に決められ先制を許すと、59分にはまたしてもサイドからのクロスを田中 美南に合わせられ連続失点を喫した。
「人数をかけて回されました。もっと球際にいかないといけませんでした。自由にやられてしまいました」と、上野は悔しさを滲ませながら振り返る。
傾く悪い流れを止めることができずにいると、64分には隅田 凛にも決められ3失点目。これ以上の失点を避けたいジェフレディースは、ここで千野に代え鶴見綾香を投入する。
カップ戦負けなしの女王は、攻撃の手を緩めることなくジェフレディースの攻撃を寸断。速いプレスとボール回しでサイドから攻撃を仕掛けてくる。
チームは、72分に小澤から西川彩華をピッチに送る。「(前半は)全員で守り切れていたと思います。危ない場面もありましたが体を張って守れていました。後半は相手がサイド攻撃を多用してきました。自分たちも振られる場面も多く、同じ形の失点が続きました」(西川)と、クロスへの対応が悪かったことを反省点とした。
何が何でも1点を返したいジェフレディースは76分、上野が左サイドを駆け上がりシュートを打つが、相手ゴールキーパにファインセーブをされてしまう。最後に日テレのカウンター攻撃から、45+1分に籾木に4失点目を決められてしまった。
選手らは試合終了のホイッスルが鳴るまでファイトし、最後まで泥臭くプレーをした。諦めることなく走り抜いたが勝利を手にすることは出来なかった。
今大会を振り返ると、ここまで楽な戦いは一つもなかった。全員の力を出し切り、チーム一丸となってこの決勝戦の舞台までたどり着いたのだ。持てるだけの力は出し切った。
ただ言えることは、幾つもの逆境や壁を乗り越えながらチームは着実に成長している。今日の敗戦を糧に、チームは前に進まなければならない。あらためて明確になった球際でのファイトや技術面をさらに磨くことで光は必ず見えてくる。
成長を続ける選手たちは、ただ前を見据える。