「立ち上がりから厳しく行けていた部分と、中盤とディフェンスラインの間で危ない場面があったところで、もったいない失点をしてしまいました。チャンスがあった中で攻守において慌ててしまいました。」と試合後に三上尚子監督は口にした。

プレナスなでしこリーグ第15節ＩＮＡＣ神戸レオネッサとの雨中決戦は1対3で、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースが黒星を喫した。終わってみればシュート数『17』本と『6』本という大きな差をつけられた結果ともなった。

先発にはＧＫに山根恵里奈、ＤＦに右から千野晶子、櫻本尚子、磯金みどり、若林美里、中盤には、安齋結花、鴨川実歩、瀬戸口梢、深澤里沙、２トップには小澤寛と菅澤優衣香が入り、4－4－2の布陣でスタートした。

対するＩ神戸は4－1－4－1をベースにした可変布陣だった。

最初のチャンスはジェフレディースが迎える。
敵陣でボールを奪取すると3分に安齋が右サイドを駆け上がり中央にクロスを入れる。タイミング良く抜け出した小澤が頭で合わせるが惜しくも枠をそれて行く。

しかし、Ｉ神戸がパスワークで主導権を握り始めると守勢に回る時間が増えて行く。ラインの裏や深いサイドからの攻撃を受けるが、チームは体を張って跳ね返す。
ジェフレディースも攻撃に出て行きたいのだが、ボールを奪っても相手の攻守の切り替えとプレッシャーが強く、慌ててしまいパスミスが多くなり、前に出て行く力が足りずにいた。

我慢の時間が続く中で、先制点を与えないことが大きな鍵となっていたのだが、30分に大野忍に決められ失点を許す。

その後もＩ神戸のリズムで展開する中で、山根を中心に守備陣が踏ん張りを見せてシュートを防いで行く。

三上尚子監督は「あまりビビってやっていると得点が入らない」、「しっかりとラインの上げ下げをやらなければいけない」とラインが間延びしないことを選手に伝えた。

その中で56分、小澤に代え西川彩華を投入すると鴨川を前線に配置し反撃を試みるのだが、60分、左サイドからのクロスのこぼれ球がポストに跳ねかえったところで味方の選手に当たりオウンゴールとなってしまい点差が広がった。

このままでは終われないチームは、トップの菅澤にボールを集める。69分には、ロングパスを菅澤が落とし鴨川がシュートを打つも枠を捉えきれない。

指揮官は83分に疲れの見えてきた深澤に代えフレッシュな三橋明香を送り反撃体制を整えるが、45＋1分にゴール前のフリーキックを直接叩きこまれて失点してしまう。しかし、90＋2分に千野がゴール前で粘ったところを菅澤が気合いで押し込み一矢を報いる形となった。
菅澤は「上手く反応できて決め切ることが出来たので良かったと思います」と話すと「攻撃でなかなか得点が取れていないので、得点を取って行きたい」と次節に向け気持ちを切り替えた。

勝点を伸ばせなかったことで順位の変動はないが、下位チームとの差を引き離せなかったことは大きな痛手だ。
リーグ戦残り3試合、一つも負けられない戦いが続く。
磯金は言う。
「上を向いてやるしかない。次の試合は絶対に勝たなければいけませんし、次にどれだけ得点を取れるか、みんなで勝てるように何をすべきかを見直して練習したいと思います」

生き残りを賭けた戦いに勝つために、チームは全力を尽くして行くだけだ！