感謝をしながらプレー

─プロ入りを考え始めたのはいつ頃からですか？

大学1年生のときに全日本大学選抜のメンバーに選ばれて初めて海外遠征をしたときに、韓国をはじめ、同年代の海外のチームと試合をする機会だったり、そのときに一緒にプレーをした先輩がプロの世界でプレーしているのを目の当たりにしたときから、プロを意識したというか、意識しなければいけないと感じました。大学1年の終わり頃から2年生になった頃だったと思います。

─そしていよいよ次のステージである「プロサッカー選手」としてのキャリアを、ジェフユナイテッド市原・千葉でスタートさせます。ジェフというチームを選んだ理由から教えてもらえますか。

まず、私が大学1年生という早い段階から斉藤和夫テクニカルダイレクターに評価していただいていたことです。
ジェフのキャンプにも2年生の終わりと3年生の終わりに2回参加させていただいて、キャンプに行ったことで「成長しよう」「成長しなければならない」と思わせてもらうことができました。そういう環境を与えていただいたことに感謝をしています。
その恩返しをしたいという気持ちがあります。
来季、J1に自動昇格を目指してチームの力になりたいという思いがあります。

─この話が理由の最初に出てくるということは、北爪選手は縁やつながりをすごく大事に考えている気がします。

そうですね。やはり（大学の）先輩もいますし、選手としてだけでなく1人の人間として評価していただいているのは光栄なことだと思ったので、こちらもジェフというクラブに対して特別な気持ちを持つようになりました。

─先輩の話が出ましたが、専修大学の先輩である町田也真人選手や栗山直樹選手とは加入が決まってから連絡は取りましたか？

決まってからも連絡を取っていますし、町田選手とは決まる前からもずっと連絡を取っていました。先輩がいることでどこかでまた甘えてしまうのではないかという葛藤もあったんですが、入るからには刺激を与えられる選手でいたいですし、いつまでも付いていくというわけにはいかないので、できれば追い付きたいし試合に一番出たいという思いがあります。

─ジェフのサッカーのスタイルには、どんな印象を持っていますか？

技術の高い選手がいて、ボールを保持しながらのゲーム運びができるチームという印象です。
ほとんどの試合でボール保持率で相手を上回っている中で、ゲームを支配しながらサイド攻撃やフォワードを活かした攻撃が特徴だと思います。
守備メインでカウンターというスタイルではなく、ジェフのようなパスを主体にボールを保持しながらゲームを運ぶスタイルの方が、自分のストロングポイントはより多くの場面で活かせるんじゃないかと思っています。

─関塚隆監督はどんな監督だと思いますか？

関さんになっ・・・あ、関塚監督になってからは2回ほど練習に参加させてもらいました。1回は1週間という長い期間だったんですが、試合までの1週間のトレーニングを経験することができました。
トレーニング中は的確な指示を出してくれますし、プレスのかけ方でもいくつものパターンを教わって、自分の引き出しを増やすことができました。
それから選手を気にかけてくれて、前向きな環境をつくってくれる監督だと思いました。
結果にこだわる厳しさもあって、今は早く指導してもらいたいという気持ちです。

─プロ1年目の舞台となる、J2の印象を教えてください。

今季、J2の試合はたくさん見ました。
J2は勝ちにこだわり特徴のあるチームが多いと思います。
J1の試合も何試合か見ましたが、J1と比べるとJ2の方が勝点を積み重ねるのが難しそうなイメージを持っています。
J2での戦い方は自分にとっては未知の部分ですが、いろいろ学びながら選手としてプレーの引き出しを増やしていかないとJ2では戦えないと思います。今からでもやれることはあると思うので、いい準備をしたいです。

─ユナイテッドパークに初めて来たとき、どんな印象でしたか？

天然芝の練習場が2面もあるというのは驚きました（笑）。
あれだけのいいコンディションのピッチが2面もあって、こういう環境で練習ができるというのは選手として幸せなことだと思いますし、こういう環境を作ってくれている方々に感謝をしながらプレーして、恩返しができればいいなと思います。

─フクアリについてはどうですか？

高校で引退したのがフクアリ（高校3年次の第89回高校選手権3回戦で、流通経済大学柏高校にPK戦の末、敗退）で、大学でも3試合か4試合プレーをしたことがあるんですが、ピッチに立っただけ気持ちが奮い立つほど素晴らしいスタジアムだと思います。
あのスタジアムがたくさんのサポーターで埋まることを想像すると、早くその雰囲気の中でプレーしたいという気持ちが強くなりますね。

─サッカーの楽しさを知った小学校時代、ストロングポイントである「スタミナ」のベースを作った中学校時代、サイドバックにコンバートされ「日本一」を目指した高校時代、リーグ戦4連覇という"偉業"に大きく貢献した大学時代。
子供の頃から北爪選手のベースにあるものは、このインタビューで何度も出てきた「チャレンジ」だと感じました。
これからまた新たな「チャレンジ」が始まりますが、最後に北爪選手の活躍を楽しみにしているサポーターのみなさんに向けて、メッセージをいただけますか？

歴史あるクラブの一員としてフクアリに立つチャンスをもらえたことを幸せに感じています。やるからにはゲームに出て結果を出してチームに貢献したいと思っています。
新人なのでいろんなところで刺激を与えられるような存在になりたいです。ゲームでは誰よりも走ろうと思っていますし飛ばしていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします！