導かれた新キャプテン
「一緒ニJ1ニイキマショウ」
サポーターズフェスタで一生懸命にそう語ったパウリーニョは今シーズン、
ジェフユナイテッド千葉のキャプテンマークを巻く。
飛躍の年となるべく挑んだ昨シーズンはJ1の壁の前に苦闘の日々。
だからこそ──。悔しい2014シーズンを糧に、背番号5が新天地での活躍を誓う。
インタビュー・文=細江克弥 Interview and text by Katsuya HOSOE
写真=佐藤博之、浦 正弘、小林 靖 Photo by Hiroyuki SATO, Masahiro URA, Yasushi KOBAYASHI
キャプテンという仕事は大きなモチベーション
── まずは、ジェフユナイテッド千葉に加入することになった経緯について、改めて教えてください。
パウリーニョいろいろな要素が重なって自分がここに導かれた気がしますが、まずは、このチームが目指しているプロジェクトの大きさに感銘を受けたことが大きいですね。栃木SCに所属していた時からジェフとは対戦していたので、クラブの偉大さは十分に理解していました。だから、オファーをいただいた時は本当にうれしかったですし、ぜひ受けたいと思いました。実は妻が妊娠中(2月13日に誕生)で、それを考えても、東京に近くて非常に生活しやすい環境が整っていることもあり、とても魅力的なオファーだと感じたからです。
── 契約する前に、パウリーニョ選手の父親が「ジェフでプレーするパウリーニョ選手の夢を見た」と聞きました。
パウリーニョそうなんです。本当に説明できないような不思議なことなんですが、本当の話なんですよ。それが現実になるなんて、僕自身もびっくりしています。
── 日本では栃木、川崎フロンターレに次いで3つ目のクラブということになりますが、特に今回の移籍に対する意気込みは強いのではないかと思います。
パウリーニョ昨シーズンは川崎Fで素晴らしい経験を積むことができました。ただ、出場機会という意味では、もっと得られたはずだと思っていますし、満足していません。おそらく、自分が持っている能力が風間(八宏)監督が求めているサッカーのスタイルとうまく合わなかったのでしょう。だから、少し大げさな言い方かもしれませんが、ジェフに移籍したことは僕にとっての《リスタート》。関塚(隆)監督の求めるスタイルは自分と合うと思っているし、オファーをもらった時も「持っている力をそのまま発揮してくれれば、チームにとって必ずプラスになるはず」と言っていただきました。川崎F時代には難しい時間を過ごしましたが、それもいい経験だったと前向きに捉えながら、「自分はまだまだこんなものじゃない。もっとできるはずだ」という気持ちを持って頑張りたい。そういう気持ちを、プレーで証明したいと思っています。
── 関塚監督からの信頼の厚さは、加入1年目にしてキャプテンを託されたことからも伝わってきます。
パウリーニョ僕には、栃木で2年間キャプテンを務めた経験があります。その経験を生かして、ジェフでも来シーズン、もしくはその次のシーズンにはキャプテンになってリーダーシップを発揮したいと考えていました。だから、正直なところ1年目からキャプテンを任されたことには驚きました。でも、普段見せている私の姿勢が、周囲に対して自信や信頼を与えていると評価してもらえたことに感謝しています。
── ご自身にとっても大きなモチベーションになるのではないかと思います。
パウリーニョそうですね。自分にとっても、キャプテンを任されることで自信と責任を感じることになりますよね。僕は、これまでのキャリアで大きなことを成し遂げてきた関塚監督のことをリスペクトしていますし、そういう偉大な人に信頼されて、キャプテンを任されたことは、僕自身に大きな自信を与えてくれます。
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