変わらない思いを
エネルギーにして
「なんでか分からないけどジェフが好きなんだよね」
そう声を揃えた岡本昌弘と水野晃樹。
8年ぶりに再びチームメートになった二人が語る
お互いのこと、サッカーのこと。そして愛するジェフへの思いとは——。
インタビュー・文=細江克弥 Interview and text by Katsuya HOSOE
写真=浦 正弘、佐藤博之 Photo by Masahiro URA, Hiroyuki SATO
はじめて合った時のことを思い出しただけで笑える(岡本)
── お二人には「ただいま!」「おかえり!」というテーマで、ざっくばらんにいろいろな話をお聞きしたいと思います。
岡 本「おかえり!」なのに、迎えるのは俺だけ?(笑)
水 野仕方ない。8年前にいた選手はグッピー(岡本の愛称)と(佐藤)勇人君しかいないから。
── 水野選手の復帰が決まる頃、お互いに連絡は取り合ったんですか?
水 野帰ることになったという連絡はしました。めちゃくちゃ喜んでたよね。「帰ってこいよ!」って。
岡 本いや、そういう雰囲気を出しただけで喜んじゃいないよ。
── どうでした? 久々にチームメートになってみて。
岡 本いやあ、もう、10代の頃と何も変わってないですね。
水 野グッピーも相変わらず。でも、昔に比べると最後尾のポジションからかなり声を出すようになったかな。
岡 本そうだね。てゆーか、なんで“上から”なの?
水 野(笑)
── ちなみに、初めて会った時のことは覚えていますか?
岡 本もちろん覚えてますよ。あれは衝撃的でしたね。世の中のことを何も知らない“いが栗頭”が清商(清水商高/現清水桜ケ丘高)のジャージを着てプロの世界に飛び込んできた。「なんだこのクソガキ!」と思ったし、あの姿を思い出すだけで笑えます。
水 野いや、あのね、ホントに一着も私服を持っていなかったんですよ。高校時代は休みが一切なかったし、どこかに出掛けることもなかったので。着る服といえば兄貴のお下がりくらいなのに身長が違うからダボダボ。だから、清商のジャージで行くしかないかなって。俺の場合、ひととおり補強が終わった後に同じ清商出身の江尻(篤彦/現U-18監督)さんに「ちょっと練習に来てみろよ」と言われて入ったから、本当に「ちょっと」だと思ってジャージで行ったんです。そしたら、高校卒業までの1カ月間くらいずっといることになって、そのまま契約してという感じで……。
岡 本あ、そういやそんなこと言ってたな。まあ、それにしても田舎のクソガキだなという感じですよ。サッカーに関しては情熱的だけど、とにかく細くて、生意気というか何と言うか。
水 野入ったばかりの頃なんて、54キロしか体重がなかったからね。ヒョロヒョロ。
岡 本モヤシみたいだったから「大丈夫かな?」と思ったけど、スピードもあるしボールの扱いもうまかった。そうしたら、いつの間にか海外に行っちゃってました。
水 野話、飛びすぎでしょ!(笑)
「Jリーグサッカーキング 4月号」で!