2025明治安田J2リーグ

第12節

TUE

KICKOFF

AWAYえがお健康スタジアム

試合終了

  • ロアッソ熊本
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  • 0
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  • ジェフユナイテッド市原・千葉
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  • 2025明治安田J2リーグ ロアッソ熊本戦
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REVIEW

劣勢に耐え 価値ある勝点1

ゴールデンウィークのアウェイ連戦、その初戦の相手はロアッソ熊本。ジェフは5連勝を狙って敵地に乗り込んだが、試合は終始熊本ペースで進み、ほとんどチャンスを作れないままタイムアップ。小林慶行監督は無失点に抑えて勝点1を獲得したことを「ポジティブに捉えたい」と話した。

スタメンは4-4-2の布陣。GKはホセ スアレス。最終ラインは右から前 貴之、鳥海晃司、鈴木大輔、日高 大の4人。中盤の底に品田愛斗と安井拓也が並び、右サイドに田中和樹、左サイドに椿 直起が位置。2トップには石川大地とカルリーニョス ジュニオが並んだ。

対する熊本は3-3-1-3の布陣。GKは佐藤優也。3バックは右から大西遼太郎、李 泰河、袴田裕太郎。中盤の底に上村周平が入り、右サイドに三島頌平、左サイドに岩下 航、トップ下に藤井皓也が位置。前線には右に塩浜 遼、中央に半代将都、左に松岡瑠夢が並んだ。

キックオフ直後は相手のビルドアップに対して高い位置からの守備を仕掛け、3分には椿のボール奪取からのカウンター、8分にはインターセプトからの田中のシュートとペースを掴みかけたかに見えた。

しかし次第に熊本の巧みなパスワークに後退させられると、10分以降は全体の重心を下げて相手の攻撃を跳ね返す展開が続く。

12分には熊本のデザインされたCKからミドルシュートを打たれると、こぼれ球に反応したMF塩浜がシュート。18分には相手のミスを誘って高い位置でボールを奪い、飛び出したGKの位置を見たカルリーニョス ジュニオが意表を突くロングシュートを放ったが、これが左ポストに弾かれて先制のチャンスを逃すと、22分にはジェフの左サイドから突破を許してMF藤井の独走を許し、フィニッシュまで持ち込まれた。これはホセ スアレスのビッグセーブに救われたが、危ないシーンが続いた。

前半はその後も熊本にボールの主導権を握られ続け、ジェフのボール支配率は「37%」にとどまり、被シュートは8本に及んだ。

重心を下げざるを得なかった前半の戦いについて、小林慶行監督は次のように説明した。

「相手の立ち位置、ボールを前進させる仕組み、うまさ、そういうところで上回られたと選手たちが肌で感じたんだと思います。そういうところで、次に自分たちがやるべきこととしては“前から”ではなかったということです」

後半の立ち上がりこそジェフが反撃の姿勢を見せてアグレッシブにボールを奪いにいったが、流れとしては前半と同様に熊本のボールキープが続いた。50分にはFW半代に決定的な場面を作られたが、鳥海が懸命に足を伸ばしてシュートブロック。59分にもパスワークで崩され、MF塩浜のミドルシュートがクロスバーに当たる幸運があった。

防戦一方のジェフは69分に3枚替え。田中に代えて杉山直宏、安井に代えて横山暁之、石川に代えて林 誠道を送り出し、さらに82分に品田愛斗に代えて田口泰士を投入すると、少しずつ流れが変わり始める。特に低い位置から横山暁之がボールを前進させる役割を担うと、終盤はジェフが相手ゴールに迫る時間が続いた。しかし90分に杉山の突破から生まれたチャンスもゴールに結びつけることはできず、試合はスコアレスのままタイムアップを迎えた。

古巣対戦となった石川が試合を振り返る。

「良かったところとダメなところが両方あって、あれだけ攻められた中で失点ゼロで終えたところは良かったし、ダメだったのは奪ったボールの精度、そこから前を向いて受けようとするところかなと。特に前半はそういうシーンが多かったと思います」

小林慶行監督は表情に悔しさを浮かべながらも、劣勢のゲームで勝点1を取れたことをポジティブに解釈した。

「こういうゲームで失点をゼロに抑えられて、相手からするとかなり決定機が多かったと思うんですが、その中で最後の最後までシュートブロックやクロスの対応ではしっかりやれていたなと。それが勝点1につながっているので、そこはポジティブに考えていいと思います」

自分たちのスタイルを表現させてもらえない90分だったが、それでも勝点1を手に入れられたことを前向きに捉えたい。アウェイゲームは続く。中3日でサガン鳥栖戦に挑む。

INTERVIEW

小林 慶行監督 試合後コメント

この試合内容のアウェイゲームで勝点1を持ち帰れることはすごく大きいと思います。

―― 前回ゲームのスタメンからボランチを2枚とも替えました。

選手がいい準備をしていたことが理由です。

―― 特に攻撃面でジェフらしさが表現できなかったゲームでした。

自分たちが相手に上回られたからだと思います。

―― セカンドボールについては?

そうですね。長いボールが入るならセカンドボールはセットだと思いますし、最終ラインがコンパクトさを維持するためにラインを上げて高い位置で守備をできるか。長いボールが入った後のことで言えば、それが自分たちのやりたいことの一部であると思います。

―― もう少しボールをつなぎたかったのでは?

はい。ミスが多かったというより、安全に、安全に、というプレーが多かった気がします。

―― それでも守り抜けたことがポジティブな要素であると。

はい。こういうゲームで失点をゼロに抑えられて、相手からするとかなり決定機が多かったと思うんですが、その中で最後の最後までシュートブロックやクロスの対応ではしっかりやれていたなと。それが勝点1につながっているので、そこはポジティブに考えていいと思います。

―― 守備においては重心を下げているように見えました。そういうプランだったのでしょうか?

いえ、そういうことではありません。相手の立ち位置、ボールを前進させる仕組み、うまさ、そういうところで上回られたと選手たちが肌で感じたんだと思います。そういうところで、次に自分たちがやるべきこととしては“前から”ではなかったということです。

―― 奪ってからの切り替えの速さについては熊本の選手たちも警戒していました。その質については?

今日は得点にもつながっていないので、おそらく皆さんが見たままだと思います。

ホセ スアレス選手 試合後コメント

―― 結果について。

他のチームの結果を踏まえると、そこまで悪くない結果だと思います。もちろん勝点1を取りにいった試合ではないので悔しさもありますが、総合的に考えればこの試合で勝点1を取れたことにはポジティブな側面があると思います。ただ、次の試合に向けては、また勝者のメンタリティーを取り戻して準備しなければなりません。

―― 前半から我慢の展開でした。

試合中は自分たちが用意してきたことを表現できなかったという意味で、少しフラストレーションが溜まる展開ではありました。でも、試合が終わった瞬間から自分の中でのメンタリティーの切り替えはできているので。しっかり準備して次の試合に向かいたいと思います。

―― 「自分たちが用意してきたこと」とは?

このゲームに向けた特別なプランというより、まずは自分たちが積み上げてきたスタイルをきっちりと見せることが必要だったと思います。球際で戦う。目の前の相手に負けない。相手より走る。そういう部分にフォーカスしてきたんですが、自分たちがマイボールを大事にできなかったことが試合の流れを作る上で大きかったかなと。リーグの首位にいるからといって安心するわけにはいかないので、常に修正し、常に改善し続けたいと思っています。

―― 中3日で次戦を迎えます。

総力戦で乗り切らなければならない連戦なので、しっかり回復に努めながら、みんなの力で戦いたいと思います。

石川 大地選手 試合後コメント

―― 今シーズン初のスコアレスドローでした。

良かったところとダメなところが両方あって、あれだけ攻められた中で失点ゼロで終えたところは良かったし、ダメだったのは奪ったボールの精度、そこから前を向いて受けようとするところかなと。特に前半はそういうシーンが多かったと思います。

―― 我慢の展開での役割をどう考えていた?

一発を狙っていました。(田中)和樹とバッキー(椿 直起)にいいボールが入った時に、しっかり自分が全速力でゴール前に入っていってというイメージを持っていたんですけど、なかなかそこにいいボールを入れられなかったなと。チーム全体としてそれを増やさなきゃいけないと思います。

―― ロッカールームの雰囲気は?

もちろん課題もあるけれど、失点ゼロで終えられたことをポジティブに考えようとする空気だったと思います。

―― 次戦も九州でのアウェイゲームとなります。

しっかり体を休めて、また全員で準備をして次の鳥栖戦に向かいたいと思います。

HALFTIME

小林 慶行監督 ハーフタイムコメント

前半でできていたことは継続していくこと。
自分の与えられたタスクを遂行しよう。
自分たちの持ってるものを勇気をもって出し切ること。

PREVIEW

小林 慶行監督 試合前コメント

(熊本は)自陣からのビルドアップに長け、人数もすごくかけてくるのですが、しっかりとした仕組みがあって、その中でトライしていくことが明確なチーム。(前節対戦した)秋田とは色がまったく違うのですが、同じように監督の強い信念があって、それに対してチャレンジし続ける選手がいる。ずっとブレずに戦えるチームだと思うので、そういったところでは前節と変わらないと思いますし、それこそ自分たちのペースに持っていけない時間が出てくるだろうという想定がある中で、「じゃあそこで自分たちは何ができるか」というような戦いになると思っています。
まずは自分たちのチャレンジとして、ここまで磨き続けてきたものでしっかりと戦えるかどうかというのをチャレンジしなければいけない。藤枝や秋田、そういうチームと対するときと一緒ですよね、マインドとしては。まずは、自分たち。でもそれが難しい時間帯も必ずあるだろうという覚悟と準備というか、そういうところをしっかりと共有して入るゲームになります。
 

田口 泰士選手 試合前コメント

選手個々にプロサッカー選手として高いレベルを要求し続けていますし、それを1回、2回じゃなくて常日頃からみんなの前でしっかりと口に出して話してくれます。そういうところでチームとしても個々としても引き上げてくれていて、だんだんとお互いのレベルが高くなっていると思います。
(熊本は)非常に良いサッカーをしてきますし、スタイルもあります。個々の能力、技術も高いので、難しい試合になると思いますけど、僕たちはチャレンジャーとして1試合1試合を全力で、チーム全員で戦うだけだと思っています。毎試合そうですけど、相手どうこうじゃなくて自分たちが積み上げてきたもの、自分たちのサッカーをどれだけやれるかが大事だと思うので、そこをやれればどんな相手でも勝てると思っています。相手があってのサッカーなので、それなりに相手のことは意識しますけど、いかに自分たちがやれるかどうか、自分たち次第だと思っています。
 

田中 和樹選手 試合前コメント

(首位に立っているが)危機感を持っているのは始まってからずっとなので、気持ちの変化は特にありません。

(熊本は)特殊で、なかなか他のチームと被らないところがあります。後ろからのつなぎや流動性、攻守の立ち位置は特殊な部分があります。そこを臨機応変に戦っていけたらと思っています。相手は流動的な動きがとても多いと思うので、マークの部分や行く・行かないをハッキリさせることが大事になると思っています。
ミーティングの中では、(熊本は)スタイルを持っていて相手がどうこうというチームではないという話もしていました。前からハードワークして奪いにくると思うので、対策されるよりは自分の色が出しやすいと思っています。まずは自分の武器を見失わずに、対策をさらに上回る。自分の良さを見失わずやっていきたいです。(熊本には)大学の先輩である大西遼太郎選手がいるのですが、大学時代からよく面倒を見てもらっていましたし、仲がよかったので(対戦が)楽しみです。もちろんピッチ上では絶対に負けない気持ちでプレーします。
 

PREVIEW

ジェフにとってのゴールデンウィークは、アウェイの九州連戦、そして国立競技場でのRB大宮アルディージャ戦と難しい試合が続く。第11節終了時点で10勝1敗と順位表においては頭ひとつ抜け出して首位を快走しているが、チームに慢心はない。どこが相手でもやるべきことは同じ。そのスタンスの徹底が、チームの結束力を高めている。

小林慶行監督が言う。

「まずは、自分たち。でもそれが難しい時間帯も必ずあるだろうという覚悟と準備というか、そういうところをしっかりと共有して入るゲームになります」

第12節で向き合うロアッソ熊本も好調だ。

序盤こそ黒星が先行したものの、第6節以降のリーグ戦6試合の戦績は3勝2分1敗。勝点を着実に積み上げて11位まで浮上した。ベガルタ仙台との第10節はフィニッシュ局面の迫力を欠いて無得点に終わったものの、前節は藤枝MYFCとの“ポゼッション志向対決”を敵地で2-0と勝利。1点目はセットプレーのこぼれ球を粘り強くつないで、2点目は相手のセットプレーからのロングカウンターをゴールに結びつけて勝点3を奪った。

大木武監督体制は6シーズン目を迎えているが、今シーズンも変幻自在のパスサッカーは健在だ。開幕前のオフではGK田代琉我がアルビレックス新潟に、DF江﨑巧朗がジュビロ磐田に、FW石川大地がジェフに移籍するなど主力の放出が目立ったが、大卒新人を中心とする新戦力を素早くチームにフィットさせ、早くも“大木カラー”を表現している。

小林慶行監督が言う。

「自陣からのビルドアップに長け、人数もすごくかけてくるのですが、しっかりとした仕組みがあって、その中でトライしていくことが明確なチーム。(前節対戦した)秋田とは色がまったく違うのですが、同じように監督の強い信念があって、それに対してチャレンジし続ける選手がいる。ずっとブレずに戦えるチームだと思います」

昨シーズンはホームゲーム、アウェイゲームとも黒星を喫した相手であり、熊本が得意とするビルドアップに対し、守備面で適切な対応策を見つけることができなかった。今シーズンもジェフはアグレッシブな守備をベースとしながら、対戦相手や試合状況に応じて戦い方を微調整し、答えを見いだしてきたからこそ勝星を積み上げている。リーグ屈指のビルドアップ能力を誇る熊本に対し、自分たちのスタイルをハメることができるか。この試合のポイントは間違いなくそこにある。

田口泰士が言う。

「非常に良いサッカーをしてきますし、スタイルもあります。個々の能力、技術も高いので、難しい試合になると思いますけど、僕たちはチャレンジャーとして1試合1試合を全力で、チーム全員で戦うだけだと思っています。毎試合そうですけど、相手どうこうじゃなくて自分たちが積み上げてきたもの、自分たちのサッカーをどれだけやれるかが大事」

もちろん攻撃面においても、マンツーマンで前から捕まえに来る熊本の守備をどのようにして攻略するかが問われることになる。ひとつのミスが命取りだが、リスクを冒してこそジェフが得意とする背後への速い攻撃が威力を増す。そのあたりの駆け引きにも注目したい。

田中和樹が言う。

「前からハードワークして奪いにくると思うので、対策されるよりは自分の色が出しやすいと思っています。まずは自分の武器を見失わずに、対策をさらに上回る。自分の良さを見失わずやっていきたいです」

現状のチームにおけるポジション争いの激しさ、チーム内競争力の高さは、ここ数試合の小林慶行監督の采配を見れば明らかだ。スタメンには毎試合のように変化があるし、ベンチ入りメンバーの顔ぶれも異なる。それぞれが“チーム”を意識しながら個性をアピールし、結果を残すことでチームに貢献している。

この状態をきっちりと表現できれば、どんなスタイルの相手にも、アウェイゲームでも負けないはずだ。あくまで自分たちに矢印を向けて、熊本へのリベンジを成し遂げたい。

[前節の布陣/熊本]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/熊本]
J2第7節 03/30 vs 鳥栖(H) 3◯1
J2第8節 04/06 vs 富山(H) 0△0
J2第9節 04/13 vs 磐田(A) 1△1
J2第10節 04/20 vs 仙台(H) 0●1
J2第11節 04/25 vs 藤枝(A) 2◯0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第7節 03/30 vs 磐田(A) 0●1
J2第8節 04/05 vs 水戸(H) 2◯1
J2第9節 04/13 vs 藤枝(A) 3◯2
J2第10節 04/20 vs 大分(H) 1◯0
J2第11節 04/25 vs 秋田(H) 3◯1
[過去3年の対戦成績]
2022/05/21 熊本 1-1 千葉
2022/09/25 千葉 0-1 熊本
2023/04/21 熊本 2-2 千葉
2023/09/03 千葉 1-0 熊本
2024/03/30 熊本 1-0 千葉
2024/07/14 千葉 0-2 熊本

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