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
第42節
SUN
KICKOFF
試合終了
レノファ山口FC - 1
- 3
ジェフユナイテッド市原・千葉
1 | 前半 | 0 |
0 | 後半 | 3 |
VIDEO
REVIEW
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ラストゲームで鮮やかな逆転勝利
尹 晶煥監督とともに戦った3シーズン、その最後を連勝で締めくくることができた。
最終節の相手はレノファ山口FC。スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは新井章太。3バックは右から新井一耀、チャン ミンギュ、田邉秀斗の3人。中盤の底に熊谷アンドリューと田口泰士が構え、右のワイドに末吉 塁、左のワイドに秋山陽介が位置。2列目に高木俊幸と見木友哉が並び、1トップには櫻川ソロモンが入った。
前半は山口のプレスに苦しんだ。選手や監督が「入りが悪かった」と振り返る試合序盤、その流れを食い止めることができずに先制点を奪われた。
8分、ジェフの右サイドから崩されると、ペナルティーエリア内に進入した田中渉にテクニカルなシュートを決められて失点。山口は前線からアグレッシブなプレスを仕掛け、ジェフのミスを誘って厚みのある攻撃でジェフを押し込んだ。
それでもジェフは、最前線の櫻川を起点としながら少しずつ反撃の糸口を探った。まずは13分、前線でボールを奪ってショートカウンターを仕掛けると、櫻川のポストプレーから最後は高木がシュート。18分には同じく櫻川のポストプレーから見木がシュートを放ち、32分には高木のクロスから櫻川がヘディングシュートを放った。相手の圧力にも慣れてきたのか、30分以降は守備の形もビルドアップも安定感を取り戻していた。
新井一耀が振り返る。
「今節も先に失点してしまったけれど『絶対に逆転できる』という気持ちがあったと思います。前半は入りがよくなかったけれど、ハーフタイムに『修正しよう』という話をしました。それが結果につながって良かった」
尹監督は後半開始と同時に秋山に代えて福満隆貴を投入。その理由について「勝つために変化が必要だと思った」と話した。
後半は立ち上がりから迫力ある攻撃で相手ゴールに迫り、何本ものパスをつないで相手を左右に揺さぶった。51分には高木がミドルシュートを放ち、54分には田邉が得意のドリブル突破で中央からチャンスを作る。56分にCKを獲得すると、こぼれ球に反応した高木が思い切りよく右足を振り抜き、相手にあたったボールはゴール左隅に飛び込んだ。
高木が言う。
「スカウティングどおりでした。相手はゴール前をゾーンで固めていたので、自分のところにこぼれやすいことはわかっていました。僕自身もなんとなく来るだろうなと思っていたし、そのイメージどおりのボールがこぼれてきました。シュートの軌道は相手に当たって変わったのでラッキーなゴールでしたが、振り切ることができたことが良かったと思います」
同点ゴールで勢いに乗ったジェフはさらに攻勢を強めた。61分、田口のクロスは一度相手に奪われたが、縦パスを読んだ新井一耀がインターセプト。そのままドリブルで持ち運び、GKとの1対1を制してゴール左隅に見事なシュートを叩き込んだ。
新井一耀が振り返る。
「後半は自分たちが主導権を握ることができていましたし、攻撃から守備への切り替えも速かったと思います。自分も高い位置でのインターセプトを狙っていたので、それをいい形で出すことができて、シュートも落ち着いて打つことができて良かったと思います」
逆転に成功してもジェフは攻撃の姿勢を貫き、アディショナルタイムには福満のクロスから途中出場のブワニカ啓太が決めて3点目。シーズンラストゲームを鮮やかな逆転勝利で飾った。
尹監督が言う。
「今日がジェフで最後の試合でしたが、選手全員が大きなケガなく、いい終わり方をしてくれたと思います。逆転勝利という結果を残してくれて本当に感謝しています。選手も私自身も一段階成長することができたのではないかと思います。次に向けて互いに努力しなければなりません。すべての選手に明るい未来が訪れることを外側から願っています」
最終成績は17勝10分15敗。勝点「61」で10位。尹 晶煥監督とともに戦った3シーズンはこの試合をもって幕を閉じる。
INTERVIEW
尹 晶煥監督 試合後コメント
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新井 一耀選手 試合後コメント
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―― 連勝で締めくくりました。
尹さんにとって最後の試合ということもありましたし、退任の発表があってから「尹さんのために」という気持ちもみんなの中にあったと思います。前節の逆転勝利は自信になりましたし、今節も先に失点してしまったけれど「絶対に逆転できる」という気持ちがあったと思います。前半は入りがよくなかったけれど、ハーフタイムに「修正しよう」という話をして。それが結果につながって良かったと思います。
―― 逆転ゴールについて。
後半は自分たちが主導権を握ることができていましたし、攻撃から守備への切り替えも速かったと思います。自分も高い位置でのインターセプトを狙っていたので、それをいい形で出すことができて、シュートも落ち着いて打つことができて良かったと思います。
―― チーム内最多得点者となりました。
誰かが突出してゴールを奪うようなシーズンではなかったですけど、どのポジションでもゴールを狙えるチームだったと思うし、一人ひとりのゴールがもう少し増えていれば得失点差のプラスもあったと思います。最後に3点取ることができたことは来シーズンにつながると思います。ゴールに対して一人ひとりがもっと貪欲になれば、チームとしての得点は必ず増えると思います。
―― シーズン終了にあたって。
上に行くチャンスは何度もありました。でも自分たちがその大事な試合で結果を出せなかったことが、サポーターの皆さんに対して申し訳ないし悔しい気持ちでいっぱいです。こういう経験を来シーズンにつなげなければならないし、この2試合で証明した「もっとできる」という部分を自信にして、来シーズンのいいスタートを切りたいと思います。個人的にはこの先、もっともっと攻守両面でチームに貢献できる選手に成長したいと思っています。
高木 俊幸選手 試合後コメント
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―― 勝利について。
まずは、今日のこの最終戦に自分たちがどういう意味を持たせて試合に臨むかが大事でした。勝っても負けてもというところはありましたけど、このチームで、このメンバーでやる最後の試合であるし、この試合を来年に向けて自分たちがどういう姿勢を見せるかという試合だったと思います。そういう意味でも、この試合をチームとして勝ち切れたことは良かったと思います。
―― 前半は相手に主導権を握られました。
早い時間の失点もありましたし、それまでも相手のプレスの強度を打開する策がなかなかなくて。前半は苦しめられたまま終わってしまいました。後半は自分たちも戦術的にどうこうという話ではなく、まずはしっかり、この試合の意味を考えようと。順位に影響がないかもしれないけど、だからこそチャレンジしようと。ミスがあってもネガティブにならずに、練習でやってきたことにチャレンジしようと。ビルドアップもうまくいくところがありましたし、相手の強度が落ちてきた時間帯にはいい崩しができていたと思います。
―― 同点ゴールについて。
スカウティングどおりでした。相手はゴール前をゾーンで固めていたので、自分のところにこぼれやすいことはわかっていました。僕自身もなんとなく来るだろうなと思っていたし、そのイメージどおりのボールがこぼれてきました。シュートの軌道は相手に当たって変わったのでラッキーなゴールでしたが、振り切ることができたことが良かったと思います。
―― 福満選手のお子さんの誕生を祝うことができましたね。
試合前から隆貴とその話をしていたので。自分が最初から試合に出ている立場だったので、「点を取ったら何かやってくれよ」と言われていて。宣言どおりになって良かったと思います。
―― シーズン終了に際して。
なかなかターニングポイントになる試合で勝点を取ることができない1年でした。そこがチームの弱さだと思うし、終盤になって、プレッシャーから解放された状態で思い切ってやることができれば、こういう形で勝つことはできると思います。でもやっぱり、本当の緊張感がある中で一人ひとりがもっと力を発揮できるようにならないと。チームとしてどういう絵を描いてサッカーをするか。それができればいいと思います。
HALFTIME
尹 晶煥監督 ハーフタイムコメント
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プレスに行く時のお互いのコミュニケーションを高めよう。
ボールを持ったら早く動かす意識を!
あと45分に全てをかけてプレーしよう。
名塚 善寛監督 ハーフタイムコメント
全体をもっとコンパクトにしよう。
自分たちがやってきたことを最後までやり切ろう。
PREVIEW
尹 晶煥監督 試合前コメント
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(最終戦は)今までやってきたことをやらなければいけないですし、変にかえてもすぐ選手が受け入れることはできないでしょう。まず集中して90分間戦えればどのチームにも負けない自信は今までもあったので、集中して戦ってくれれば絶対に勝てると思います。(自分自身は)ワクワク感はあまりないですね、正直に言えば。この時期は本当に選手たちが怪我をすることが多いので、まず怪我をしないように集中しなければいけないと思います。明日もそういう話をしますけど、そこが一番大事だと思います。
本当に3年間、コロナ禍でも応援してくれたファン・サポーターの皆さんなどいろいろな人に感謝の気持ちでいっぱいです。みんなの夢であったJ1という舞台に行けなかったのは本当に申し訳ないです。自分なりに頑張ってはきましたけど、でも自分が足りないところも絶対あると思っているので、すごく反省しているところです。それといつか、来年になるかもしれないですけど、ジェフがJ1に行けるように、外から別のところで応援したいと思いますし、最後は、明日の試合を勝って、今年をうまく締めたいなと思います。本当にありがとうございました。
新井 一耀選手 試合前コメント
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(前節の琉球戦は)先に失点しましたが、そこから前々節・秋田戦のように崩れるのではなく、もう一回、今までやってきたことをやり直そうと自分たちでボールを握りながらゴールに向かえましたし、切り替えができたことが勝点3につながったと思います。逆転勝ちできたことは自信にもなりますし、自分たちもそういう勝ち方をできるというところを見せられたと思います。それをしっかり続けられるようにしたいです。
(山口は)組織的にやってきますし、しっかり後ろからつなぐサッカーもできます。前に強い選手がいて、そこに当ててセカンドボールを拾うこともできると思います。柔軟な対応をしてくると思うので、そこに自分たちが対応できるようにしたいですし、もっと積極的にプレーすることで勝点3を取れると思うので、積極性を最初から出せるようプレーしたいです。後ろはしっかりゼロで完封勝ちをしたいですし、自分自身、最近あまり得点を取れていないので、しっかり得点に関われるような仕事ができるようにやっていきたいと思います。
見木 友哉選手 試合前コメント
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(前節の琉球戦は)ホーム最終戦で、(試合前は)昇格の望みも絶たれていませんでしたが厳しいなかで、ファン・サポーターの皆さんが多くスタジアムに来て応援してくれたことが勝利につながった要因だと思いますし、ゲーム内容としては相手が前からガツガツ来る訳ではなかった分ボールを動かしやすかったこと、先制されたなかでも慌てずに前半で1点を返せたことが逆転勝利につながったと思います。
(山口は)ボールを動かしたいチームだと思うので、どれだけ厳しくディフェンスにいくことができるか。奪ってから良い形でカウンターにつなげることが大事だと思いますし、ボールを持つところで相手のプレスをいなし前進してうまく攻撃につなげることが大事だと思います。
昇格(の可能性)はなくなってしまったのですが、勝って終わることが大事ですし、来シーズンにつなげるためにも良い内容で勝ちたい。尹監督は自分がプロになってから3年間指揮を執ってくださいました。忍耐強さやハードワークという部分で成長させてもらったので、最後に良い形で勝って締めくくりたいです。
PREVIEW
2022シーズンのラストゲーム、レノファ山口FCとの第42節に臨む。
今シーズン限りで退任する尹 晶煥監督は、急きょ、前日練習を一般公開として駆けつけたサポーターに思いを伝えた。ラストゲームの結果によって得られるものは勝点3以上にないが、指揮した3年間を総括する上でも重要な一戦となることは間違いない。
「(最終戦は)今までやってきたことをやらなければいけないですし、変にかえてもすぐ選手が受け入れることはできないでしょう。まず集中して90分間戦えればどのチームにも負けない自信は今までもあったので、集中して戦ってくれれば絶対に勝てると思います」
終盤戦の山口は絶好調だ。9月以降の戦績は4勝3分1敗。順位こそ16位に位置しているものの、安定した試合運びで着実に勝点を積み上げている。4-2-3-1を基本システムとするチームは前線からの積極的なプレスを仕掛け、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを繰り出す。あるいは、全体をコンパクトに組織だててテンポよくパスをつなぎ、サイドから相手を崩すなど多彩だ。
4月27日に行われた第12節の対戦ではジェフが見木友哉と高木俊幸のゴールで2-0と快勝したが、内容的には五分の展開だった。ジェフと同様、若い選手が多いチームだけに流れを掴んだ時間帯の“強さ”にはインパクトがあった。
新井一耀が言う。
「組織的にやってきますし、しっかり後ろからつなぐサッカーもできます。前に強い選手がいて、そこに当ててセカンドボールを拾うこともできると思います。柔軟な対応をしてくると思うので、そこに自分たちが対応できるようにしたいですし、もっと積極的にプレーすることで勝点3を取れると思うので、積極性を最初から出せるようプレーしたいです」
見木友哉も相手のスタイルについて言及した。
「ボールを動かしたいチームだと思うので、どれだけ厳しくディフェンスにいくことができるか。奪ってから良い形でカウンターにつなげることが大事だと思いますし、ボールを持つところで相手のプレスをいなし前進してうまく攻撃につなげることが大事だと思います」
もっとも、このシーズン最終戦で示すべきは“相手への対策”ではなく“ジェフとしての姿勢”だ。この3年間、尹監督は常に「集中力」について言及し、大事な試合でそれを発揮できずに勝点を積み上げられなかったことを悔やんだ。集中力の欠如は大きなケガにつながりかねないからこそ、この最終戦をいかにして戦うかは来シーズンを戦う上でも重要なポイントとなるだろう。
その意味で、逆転勝利を収めた前節のFC琉球戦で得た手応えをこの試合でもしっかりと表現したい。
新井一耀が言う。
「先に失点しましたが、そこから前々節・秋田戦のように崩れるのではなく、もう一回、今までやってきたことをやり直そうと自分たちでボールを握りながらゴールに向かえましたし、切り替えができたことが勝点3につながったと思います」
見木も勝利にこだわることの重要性を口にした。
「昇格(の可能性)はなくなってしまったのですが、勝って終わることが大事ですし、来シーズンにつなげるためにも良い内容で勝ちたい。尹監督は自分がプロになってから3年間指揮を執ってくださいました。忍耐強さやハードワークという部分で成長させてもらったので、最後に良い形で勝って締めくくりたいです」
アグレッシブで前掛かりな相手の背後を突いて1点を奪う。強固な守備でそれを守り切り、追加点を奪って勝利を確信する。そんな試合で2022シーズンを締めくくりたい。
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J2第37節 09/18 vs 琉球(A) 1●0
J2第38節 09/24 vs 群馬(A) 6●1
J2第39節 10/02 vs 岩手(H) 2△2
J2第40節 10/09 vs 大宮(A) 1○2
J2第41節 10/15 vs 長崎(A) 1●0
J2第37節 09/18 vs 山形(A) 0○2
J2第38節 09/25 vs 熊本(H) 0○1
J2第39節 10/02 vs 水戸(A) 1●0
J2第40節 10/08 vs 秋田(A) 0○3
J2第41節 10/16 vs 琉球(H) 2●1
20/09/23 千葉 1-2 山口
20/11/25 山口 1-2 千葉
21/05/05 山口 0-1 千葉
21/10/30 千葉 0-0 山口
22/04/27 千葉 2-0 山口
まずはここにいる記者の皆さん、1年間本当におつかれさまでした。今日がジェフで最後の試合でしたが、選手全員が大きなケガなく、いい終わり方をしてくれたと思います。逆転勝利という結果を残してくれて本当に感謝しています。選手も私自身も一段階成長することができたのではないかと思います。次に向けて互いに努力しなければなりません。すべての選手に明るい未来が訪れることを外側から願っています。
本当に多くのサポーターの皆さんが応援してくださいましたし、大きな声援をいただきました。本当に嬉しく思います。この3年間は誰にとっても本当に大変な時間だったと思いますが、その時間を終えた今は「少し休みたい」と思っているのが正直なところです。もちろん長く休むつもりはないのですが、少しの休みを取ろうと思っています。
―― 後半頭から秋山陽介選手に代えて福満隆貴選手を送り出しました。
勝つために変化が必要だと思いました。アキ(秋山)は少し集中力が落ちているところも見られたので、そこに変化があったほうがいいと感じました。
―― 攻撃に勢いが出た理由は?
(福満)隆貴がかなり前掛かりにプレーしたことで少し(新井)一耀が大変そうでしたが、その分、相手の攻撃を抑えることができたと思います。こういう結果になったのでうまくいったと思います。
―― 試合後のラインダンスに参加されていました。
最後なので参加させてもらいました。皆さんがそれを望んでいるように感じましたし(笑)、選手たちからも声をかけられたので。
―― サポーターの皆さんに話したことは?
最後に感謝の気持ちを伝えました。
―― 2試合連続での逆転勝利となりました。もう少し指揮を執り続けたいのでは?
終わったことは終わったことです。ゴルフをやられているかわかりませんが、最終ホールがうまくいった時に「もっとやりたい」という気持ちになりますよね。そこで終えることも必要です。