ジェフユナイテッド市原・千葉では、子どもの心身の健全育成を目的として、ホームタウン市内の小学校にコーチが訪問する「サッカーおとどけ隊」の活動を2002年より実施しています。
「サッカーおとどけ隊」では、楽しみながら体を動かすことで、子どもたちにスポーツの楽しさを肌で感じてもらい、スポーツを「する」子どもが一人でも増えることを意図して活動しています。さらにサッカーの楽しさを伝えるだけでなく、仲間とコミュニケーションをとることや、協力して行うことを日常の生活にも生かしてほしいと伝えています。
今年度は、千葉市内の小学校82校、市原市内の小学校43校、合計125校を訪問しました。
 

【活動内容】

小学校での「サッカーおとどけ隊」では、創出力の向上、課題抽出力の向上、コミュニケーション能力の向上、体を動かすことの大切さを伝えることをコンセプトに活動しています。授業の中で、コーチたちは子どもたちに大切にしてほしい2つのことを伝えています。

①自分の力で考えること。先生にすぐに聞くのではなく自分で考える。
②友達と協力すること。1人で何かをするのではなく、みんなで話し合ったり、考えたりすること。

内容は、サッカーを主としたプログラムではあるものの、初めからボールを蹴ったりするのではなく、手を使ったボール交換ゲームやグループ作りなど、友達と協力して何かを成し遂げる達成感や、喜びを感じてもらいます。一つのゲームを行うときもゲーム形式にすることによって、自然と全員で協力しなければいけない環境を作り、多数の友達と協力できるようにします。グループ作りも子どもたちの力で決めてもらいます。ここでコーチたちが伝えるのは、仲のいい人だけでグループを作るのではなく、様々な人とグループを作りみんなで協力することです。まだグループが作れていない友達がいれば、声を掛け合うことや話し合うことで、グループ作りに取り組んでもらいます。みんなで話し合ってグループ作りを行うことで、考える力や、協力する力、友達を思いやることができるようになります。
最後にコーチから、授業の最初に伝えた①自分の力で考える②友達と協力することが、授業を通して達成できたのか子どもたちに確認します。この授業で学んだことは日常生活でも関係してくるので今日のことを思い出してくださいと伝えています。

【河野太郎コーチコメント】
2002年に始まった「おとどけ隊」も今年で21年目になりました。その中で、子どもたちの様子や、学校、先生からのニーズも変化していき、私たちの活動も少しずつ変化していっています。近年のコンセプトとして大切にしていることは、「創出力」「課題抽出、解決力」「コミュニケーション能力」です。ただ、コンセプトを子どもに押し付けるのではなく、楽しい活動の中、自然といろんな事が考えられて、実行できることを目指しています。年に一度の活動なので、劇的に何かを変えることは難しいとは思いますが、この活動を行うことで、子どもたちの日々の生活に少しでもプラスになると嬉しいです。

■おとどけ隊コーチ  

【小谷教師の感想】
コロナが流行し、子どもたち同士でのコミュニケーションをとる機会も減ってしまいました。また、マスクをしているので、表情が見られなくなりました。そして、自分のことは自分で行わなければいけない環境になってしまったので、誰かのために何かをやることや協力する経験が乏しくなりました。2・3年生はコロナ禍になって入学してきた生徒です。生活の中で声のかけ方や返し方が伸ばし切れていないので、サッカーを通してコミュニケーションをとってほしいと思いました。この活動を通して、集団生活をしていく上で、コミュニケーションの大切さをいろいろな場面で大人から学べる体験となりました。楽しそうにコミュニケーションを学べていたので、すごくよかったです。今日行ったことを普段の学校生活でも頑張っていってほしいです。

【金沢教師の感想】
普段の体育の授業だと、細かい人間関係など目が届かずじっくり時間をかけることが難しいですが、今日はチーム作りやコミュニケーションをとる機会ができとてもよい時間となりました。3.4年生になると友達関係が難しくなる時期があります。しかし今日はそれを感じないほど生徒たちは楽しんでいて、時間がたてばたつほど、仲が深まっていました。

【2年生男子の感想】
ジェフというチームを知りませんでしたが、今日で知れました。みんなでお話しして、協力して声をかけることを意識しました。とても楽しかったです。

【3年生女子の感想】　
サッカーをするのは幼稚園ぶりでした。難しかったけど、楽しかったです。学校行事は初めてだったからすごく楽しみにしていました。コーチも面白くてサッカーって楽しいなと感じました。

【3年生男子の感想】
体育の時は、勝ち負けを気にしすぎていたことが多かったけど、今日は友達とコミュニケーションをとって楽しかった。楽しくルールを学ぶことができた。協力するって大切だと思いました。


今後も私たちジェフユナイテッド市原・千葉は、サッカーを通じて地域の子どもたちの明るい未来を創るきっかけになれるよう活動を続けます。地域の子どもたちと直接交流することができる学校訪問が、ジェフを知っていただける機会になれば幸いです。