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2023.06.22 レポート

【レポート】WE ACTION DAY座談会「新しいトイレのマークを考えてみた」

ジェフユナイテッド市原・千葉レディースでは、今シーズン1回目の「WE ACTION DAY(理念推進日)」におきまして、トイレのマークを題材にしてジェンダーについて考える座談会を、市原市の職員や中学生とともに行いました。第22節に今シーズン2回目の「WE ACTION DAY」を迎えるにあたり、前回の座談会を踏まえレディースが提案する新たなトイレのマークについて検討をしました。

 
WE ACTION DAY(理念推進日)」とは、WE リーグの理念「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」を体現するために、各クラブがアクションを起こす日です。
ジェフユナイテッド市原・千葉では、「WE ACTION DAY」をクラブの理念、WE リーグの理念を体現する場として、様々な企画に取り組み、ホームタウンの皆さまとともに、「一人ひとりが輝く社会」を考える機会にしていきたいと考え取り組んでいます。
 

座談会「新しいトイレのマークを考えてみた」


前回の座談会では、なぜ多くのトイレのマークが「男性が青でパンツスタイル、女性が赤でスカート着用なのか?」ということから議論をスタート。
学校の制服や、ランドセルも多様性が一般化している中で、多くのトイレのマークが「男性が青でパンツスタイル、女性が赤でスカート」となっている。男性でも、女性でも、少なからず嫌な思い、違和感を持っている人がいるのではないか。どういう人が今のマークに抵抗を感じているのか。大人でもこどもでも視覚に障がいをお持ちの方でも分かりやすいものはどのようなものか。誰もが気持ちよく利用できるようなできるだけ多くの人が嫌な思いをしないようなデザインは何かを考えました。
議論を進めていく中で、「結局、青と赤が一番見慣れていて分かりやすいのでは」、「色で分けない場合、どう表現したらいいんだろう?」と現在多用されているマークが一番良いのではないかという意見が何度も出て来ましたが、中学生や社会人を交えての最初の座談会では「ジェフのエンブレム、キャラクターに使われている犬をモチーフにしたマーク」、「色のグラデーションで表現」、「オスとメスの形状の違う生き物で表現」という案が出て来ました。
 

このたび、最初の座談会で出た意見を踏まえ、「私たちのホームスタジアムであるフクダ電子アリーナのトイレのマークを変えるつもりで、新しい案を提案してみよう」と、選手たちで再検討をしました。
「犬や、生き物の画像は、オス・メスを並べたら分かりやすいかもしれないけれど、離れたところに片方ずつあっても伝わらないのでは」、「色のグラデーションだと、赤系の色=女性という色のイメージは変わらない」、「色で表現するのが一番分かりやすそうだけれども、色で分けるとしても形状を変えれば女性=スカートと言う偏見は無くなるかも」、「文字も補足として加えるか」、「文字で表現した場合、こどもは読めるのか」、「視覚に障がいがある方にはどう伝えるのか」等、議論をしました。
 

議論の末、ジェフ千葉レディースとして出した結論は「ユニフォームで表現しよう」というものになりました。
女子プロサッカーチームであるジェフ千葉レディースが提案する意義を考えたときに「サッカーと言えば男性」というイメージを、「性別に関係なく、皆が楽しめるサッカー」にしていきたいという私たちの思いと、「性別にかかわらず、誰もが利用しやすいトイレにしたい」という両方を表現できるのではないかと考えました。
また、フクダ電子アリーナは球技専用スタジアムなので、サッカーのユニフォームに親和性があるとも考えました。そして、私たちのクラブハウスである「ユナイテッドパーク」で採用されている表現でもありました。
 

▲十川ゆき選手作成のイメージ画像


今回、私たちはこれまで当たり前だと思っていた「男性だから」、「女性だから」と思われていたことを見つめ直してみる機会として、「トイレのマーク」を検討しました。「誰もが分かりやすい」、「誰も不快にならない」ことを考えるのはとても難しく、また、これまで多くの場で目にしてきたマークが最適なのではないかと何度も立ち戻りました。それほどまでに、「男性=青・パンツ」、「女性=赤・スカート」というイメージが定着しているのだということを思い知らされることになりました。
今回、私たちは悩んだ末に一つの案を出しましたが、決してこれがたった一つの正解ではないと思っていますし、まだまだ議論しつくせていない視点もあると思っています。本当にフクダ電子アリーナのトイレのマークを変えるのであれば、専門家も交えてさらに検討を重ねる必要がありますが、今後、私たちの案を基にしたマークがフクダ電子アリーナ等で実現する日がきたら良いなと思います。
 

今回議論のテーマとした「トイレのマーク」については、2021-22シーズンにWEリーグが行った「WE ACTION MEETING(https://weleague.jp/news/533/)で出た課題の一つです。男女が色で区別されることに対して抵抗がある人もいるということが分かり、クラブとしても、この課題解決のために取り組んでみようと、今回のテーマに選びました。
前回の座談会には、選手11名のほか、市原市役所企画部総合計画推進課 女性活躍推進係の職員2名、千葉市立更科中学校の生徒4名、同校の先生2名にも参加していただきました。

前回のレポートはこちら

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